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5時間待ちも、「中目黒のスタバ」が繰り出す仕掛け ここで生み出されたアイデアが全国の店舗に波及

東洋経済オンライン / 2024年4月27日 13時30分

その後は各地に展開。現在は大阪府や福岡県、富山県などにも店があり、国内14店を展開する。

「ロースタリー 東京」について、以前に同社関係者から「あれだけの店ができたのでティー事業の足掛かりを得られた」という話を聞いたが、それをティーに特化した店舗として実現させた。

また、前述の「イタリアンベーカリー プリンチ」の単独店も「プリンチ代官山T-SITE」として都内(渋谷区猿楽町)で運営する。こちらも従来のスタバとは違う雰囲気で商品構成も特徴的だ。

商品開発や人材開発で一般店舗と連携

「『ロースタリー 東京』で人気を呼んだメニューを全国のスターバックスでも楽しめるようアレンジを加えたドリンクもあります。特別な方法を用いながらコーヒーの風味を抽出した『コーヒーエイド』や、『バタースコッチ ラテ』(現在は販売終了)などがそうです」

菅原氏はこう説明する。「ラボ」としての商品開発だが、新商品を提供してお客さんの反応を学ぶ、テストマーケティングの役割もあるだろう。

「コーヒーエイド」については2年前の開発時に、「特殊な抽出方法を採用した透明感のあるコーヒーに〇〇(商品によって異なる)を加えたリフレッシュメント ビバレッジ」と説明を受けた。一般のコーヒーのような茶褐色ではなく透明感のあるコーヒーだった。

その後は透明感よりも、前述した“特別な方法を用いてコーヒーの風味を抽出”を掲げ、「コーヒーエイド クールライム」(2023年6月28日~8月31日)を期間限定で発売した。

人材開発の視点でも紹介しよう。「ロースタリー 東京」にコーヒー焙煎機や焼きたてパン、バー機能があるのは、例えば焙煎技術や製パン技術を高めたい従業員にとって、ここで働くことが目標にもなる。かつて北海道の店舗で取材した従業員が、その後、自ら志望して異動してきた例も聞いた。

「常駐勤務するだけではなく、『ロースタリー 東京』の空間や焙煎、商品を深掘りしたい人は、パートナー(従業員)向けツアーに参加したりするなど、人材交流も盛んです」(菅原氏)

1900店の安定運営に欠かせない「従業員力」

スターバックスの国内店舗数は他の競合を圧倒しており、今や国内に「1901店」(2023年12月末時点)を展開する。2位のドトールコーヒーショップが「1061店」(2024年3月末)、3位のコメダ珈琲店が「968店」(同年2月末)なので、約2倍の店舗を持つ。

1900店もの店舗を安定運営させるには、従業員の現場力が欠かせない。ここまでの同社の躍進は、主に通常店舗の営業が支えてきた。

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