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令和「シティーハンター」は"適切ギリギリ"な傑作 Netflix版は鈴木亮平主演に「歌舞伎町」ロケ

東洋経済オンライン / 2024年4月27日 13時0分

ヒロインの槇村香役には、現在放送中のNHK朝ドラ「虎に翼」に出演、Netflixでは「全裸監督」の黒木香役が印象的だった森田望智がこれまた好演。また獠の相棒である槇村秀幸役に安藤政信、獠とは腐れ縁である麗しの刑事、野上冴子役には木村文乃をキャスティングしています。

新宿でほぼ前例のない大規模ロケ

そもそも「シティーハンター」の原作の連載が始まったのは1985年です。シリーズが続いたアニメ版は1980年代後半から1990年代前半にかけて地上波で放送されたもの。実写化されるのは日本ではこれが初です。

過去にはジャッキー・チェンが冴羽獠になり、韓国では斬新にもラブコメにアレンジ、ヨーロッパではおフランステイストの「シティーハンター」が作られていますが、意外にも日本では実写化されていませんでした。時を経て製作し、全世界配信のNetflixとならば、今届けるべき意味が必要なのかもしれません。

その答えの1つに日本最大の歓楽街である歌舞伎町をはじめとする実際の新宿でロケを行ったことにあると思います。新宿・歌舞伎町の地元商店街、新宿行政関係者、警視庁・新宿署など各関係者から全面協力を得て、新宿ではほぼ前例のない大規模なロケ撮影となったそうです。

渋谷の巨大スクランブル交差点をセットとして作ってしまったNetflixですから、歌舞伎町を再現したセットも不可能ではなさそうですが、「シティーハンター」の場合はよりリアルな街の今を映像に落とし込むことに価値を見出しています。「バーニラ、バニラ、高収入」とアドトラックが走り、キャバクラからオカマバーまで混在し、若者から熟年まであらゆる人々が行き交ういつもの新宿の空気感が実際に伝わってきます。

具体的な撮影場所は、シネシティ広場と歌舞伎町一番街、新宿東宝ビル前のゴジラロードなど。人の少ない深夜から朝⽅にかけて撮影が行われ、撮影場所から細かなカメラ位置に至るまで警察許可を得たうえで、獠や香が歌舞伎町を駆け抜けるシーンが実現したことが公式資料に記されています。一番の難関は、新宿東宝ビル前を獠たちが走っていくカットだったそうで、約400人のエキストラが参加しています。

全世界配信を前に4月23日に行われたワールドプレミア上映イベントでもシネシティ広場が使われました。街を巻き込みながら、ド派手な演出で映えるPRをするところまで抜け目ないのです。

北条司が太鼓判を押す

現代の新宿ということで、トー横界隈の家出少女にも焦点を当て、事件のカギを握るコスプレイヤー役をグラビアアイドルの華村あすかが演じています。これは原作にはない新たなストーリーです。事件そのものだけではありません。突然事件に巻き込まれてしまった兄の死をきっかけに「一緒に仇を取ってよ!」と香が獠に懇願する2人の原点となるシーンまで作られています。つまり今回、獠と香がバディを組むことになった「はじまりの物語」として描かれ、前日譚として作ったのがNetflix映画「シティーハンター」なのです。

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