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成長の終焉か「5つの数字」で見るテスラの栄枯盛衰 値下げは実らず、超高収益体質も過去のものに

東洋経済オンライン / 2024年5月1日 7時0分

落ちたとはいえ、5%台の営業利益率を出すテスラ。大型車体部品を一体成型する「ギガプレス(ギガキャスト)」と呼ぶ鋳造技術を用い、生産工程や部品数を少なくすることなどで合理化を追求する革新性はやはり侮れない。

とはいえ、第1四半期の純利益を4倍にしてベースでPER(株価収益率)を計算すると軽く100倍を超える。依然としてテスラの株価は期待先行といえる。テスラの失速とトヨタの躍進が続けば、時価総額逆転も近いかもしれない。

EVでのライバルも台頭している。中国BYDだ。中国では、政府のEV普及策によって新エネルギー車(NEV、EVとプラグインHV=PHV)シフトが進んでいる。それを追い風に急成長してきたBYDは、2023年10~12月にはBYDがEV販売でテスラを逆転した。

そのBYDも2024年1~3月は前四半期から大きく台数を減らした。中国市場は春節の影響で、1~3月は自動車販売台数が落ちるのが普通だ。が、世界的なEVシフトの変調の影響はBYDも受けている。逆風のEV市場でテスラとBYDの首位争いが激化することは間違いないだろう。

BYDが有利な点と不利な点

EV専業のテスラとは違ってBYDはPHVも生産・販売している。総販売台数ではBYDがテスラを大きく上回る。EV市場が厳しくてもPHVを売ることができるBYDが有利な面がある。反面、中国企業であるBYDには、欧米市場へのアクセスの難しさもある。

EVのパイオニアとして先頭をひた走ってきたテスラだが、競争環境の激化やEVシフトの減速によって、今後も“覇者”として君臨し続けられるかは不透明。そんな中で注目されるのが新型車の導入だ。

決算説明会ではイーロン・マスクCEOが、2025年の早い時期に新モデルを投入すると表明したことで、株価の急反発につながった。テスラが本当に輝きを取り戻せるかは、新モデルを予定通り投入し、期待通りにヒットさせられるかにかかっている。

【グラフ】売上高、利益率、時価総額の変化など、トヨタやBYDとも比較したグラフを見る

村松 魁理:東洋経済 記者

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