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キムタク主演「Believe」物語のカギ握る"3要素" 今まで木村拓哉が演じてきた役柄とは一味違う

東洋経済オンライン / 2024年5月2日 14時0分

しかし、本作は異なる。犯罪者となり、刑務所の中から無実を訴えて人生を取り戻そうとする元会社員の再生物語では、これまでの強い人間ではなく、木村拓哉オーラをうちに押し込めて、弱い人間を繊細に演じている。

作品ごとに幅広い役柄を自分のものにしてきた木村拓哉だが、また1つの新しいタイプのキャラクターに挑む本作を、どのように自身のカラーに染めていくのか。

木村拓哉自身のキャラクターと重なる点でいえば、第1話では、刑務所で巨漢の囚人を軽く組み伏せる、腕っぷしの強さを示すシーンがあった。本作の主人公の人物像としてはそぐわない気もするが、そこには本人のマッチョイズムが反映されているのかもしれない。物語が進行しながら、狩山陸と木村拓哉がどうシンクロしていくかは、1つの注目ポイントになりそうだ。

物語のカギになる3つのポイント

この先、狩山は真実を明らかにするために、会社と闘っていくことになるが、刑務所区長・林一夫(上川隆也)が関わる、得たいの知れない何かが背後にあることも匂わせている。

刑務所で最大の権力を持ち、狩山の行動を監視する怪しい存在として描かれた林がキーマンの1人になることは間違いないが、ほかにも3つポイントがありそうだ。

1つは、妻・玲子の言葉だ。狩山との会話で「自分の歯磨き粉を1回使ったくらいでわかる、緻密で小さい男」など、繰り返し狩山を緻密な人間だと話していた。玲子は「緻密なあなたが設計ミスをするわけがない」と言っていたが、その緻密さがこの先に意味を持ってくるのだろう。

もう1つも玲子とのやりとりだ。刑務所の面会室で「嘘」という言葉が繰り返された。唯一の味方である弁護士・秋澤良人(斎藤工)との会話でも狩山は「嘘をついていた。誰も救っていない。真実にフタをしていただけ」とも語っている。のちに「嘘」が物語の展開のカギとなるのかもしれない。

そして、3つ目が第1話の冒頭とラストで登場した、一人二役を演じる竹内涼真だ。冒頭では事故が起きた工事を請け負っていた作業員、ラストでは事故を捜査する警視庁刑事部捜査第一課の刑事・黒木正興として現れた。なぜ一人二役なのか。どちらも事故に深く関わる人物だが、そこにも意味があるのではないだろうか。

木村拓哉と狩山陸の人生の再生がリンクする?

第1話で、骨太な社会派ヒューマンドラマとなりそうな予感がひしひしと伝わってきた本作。

オリジナル脚本を手がける井上由美子氏は、木村拓哉とは『GOOD LUCK!!』(TBS系・2003年)と『エンジン』(フジテレビ系・2005年)でタッグを組み、人間描写の名手として名高いストーリーテラーだ。

木村拓哉をよく知る井上氏が描く人生の再生物語となる本作は、2023年に所属事務所問題などもあった木村拓哉の新たなスタートとしての再生ともリンクするのかもしれない。

いまは周囲に敵ばかりの狩山だが、ここから先の生きる道をしっかりと見据えている。木村拓哉演じる狩山の生き様を見届けたい。

武井 保之:ライター

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