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「親の言うこと聞く子」ほど抱えがちな意外な弱さ 日々の育児では「何を」「どう」問いかけるべきか

東洋経済オンライン / 2024年5月3日 17時30分

先ほども述べましたが、本当の自信とは「どんな時でも」「どんな自分でも」「自分を信じられる力」のことを言います。それは、「失敗をしない」ことではなくて、「失敗を乗り越えられる」「失敗を受け止められる」という感覚です。

そのためには、子どもが失敗をした時に怒ったり、責めたりするのではなく、「どうすれば、次はうまくいくかな?」といっしょに考えてあげてください。いい子にしている時や、成功した時だけでなく、どんな時にも愛情を持って、誰よりも信じてあげてほしいと思います。

子どもが「自分で考えること」を奪わない

子どもに何かを質問するとき、子どもがあなたの考えとは違う答えを言うことがあるかもしれません。そんな時、大切なのは、どんな答えでも「いいね!」と聞いてあげることです。

もし、あなたと考え方が違うのであれば、「どうして、こう思ったの?」と、理由をしっかりと聞いてあげてください。子どもには子どもなりの理由があるはずなので、それをまずはしっかりと受け止めることが大切です。

そして、あなたの意見は「私はこう思うよ」とひとつの意見として、伝えてみましょう。この関わり合いが、子どもの考える力や、自立心、そして、個性を育んでいきます。

質問の価値は、「自分の頭で考える」ということにあります。

大人が「それは違うよ」と否定してしまうと、子どもは自分で考えることをやめ、「大人が気に入る答えを探し、覚える」ようになります。

それでは、「考える力」は育まれず、いつまでも、誰かに正解を求めて生きていくことになってしまいます。「どんな答えなのか」ではなく、大人が「いいね!」と聞いてあげること自体に意味があります。

この世の中に絶対的に「正しいこと」はありません。なぜなら、「正しい」は、価値観や立場によってつくられていくからです。

たとえば、桃太郎の「鬼退治」は、村人から見ると「正しい」でしょう。しかし、鬼から見るとどうでしょうか? 鬼が宴会をしている時に、急に桃太郎たちが襲ってきて、金銀財宝を奪われるのです。鬼から見ると、桃太郎は「正しくない」となりますよね。

このように、どちらが「正しいか」を基準に話をすると、争いやケンカになります。なぜなら、「どちらも正しいから」です。

大人の価値観や正義を押しつけないこと

人はみんなゼロの状態で生まれてきます。なので、まずは、ベースとなる親の価値観を伝えることはとても大切です。

そして、ある程度、物心がついてきたら、親から教わった価値観を基準に世の中を見て、自分の好みの価値観を自分で考えていくことができればいいのです。

大人が必ずしも正しいとも限りませんし、子どもには子どもの「正しい」があります。

頭ごなしに否定するのではなく、一度「いいね」と、子どもの「正しい」を受け止め、そのうえで「どうすれば、より良くなるか」「どうすれば、うまくいくか」という話をしていただきたいと思います。

その関わりが、お子さんの心の中で「自信」や「自分で考える力」を育てていくことにつながるはずです。

河田 真誠 :経営コンサルタント

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