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ジュリア・ロバーツ、蘇る30年前のトンデモ黒歴史 希望する男優と共演できないとなると…

東洋経済オンライン / 2024年5月3日 11時20分

その機内で、ロバーツは突然、シェイクスピア役にはダニエル・デイ=ルイスが良いと言い出す。そう聞いて、ズウィックは困った。ズウィックはこの役のために多くのイギリス人俳優と話をしており、その中にはデイ=ルイスもいたのだが、ジム・シェリダン監督の『父の祈りを』(1993)に出演を約束しているからと、断られていたのだ。

そう言ってもロバーツは「私なら彼を獲得できる」と主張。ロンドンの空港に到着するやいなや、「私のロミオになって」というカードと共に、デイ=ルイスに24本のバラを送るよう、アシスタントに命じた。

候補者たちとのオーディションの初日にも、ロバーツは、デイ=ルイスが出てくれることになったから今日の予定をキャンセルしてと言い、ズウィックを混乱させる。デイ=ルイス本人と会って確認すると、彼の答は以前と同じで「シェリダンの映画があるから無理」だった。

望みがかなわなかったロバーツは、その後、レイフ・ファインズ、ヒュー・グラント、コリン・ファースなど優れた俳優が次々やってきてくれても、まるで関心を示さず。そんなことが2週間ほど続いた後、ようやくポール・マッギャンとはなんとか次の段階に進められることになり、衣装を着て、ヘアメイクをしたうえでの本格的なカメラテストが行われた。

ところが、実際にシーンを演じてもらうと、まるでうまくいかないのだ。ロバーツがアクセントに気を取られ、自然な演技ができないせいである。アメリカ人のロバーツはこの役のためにアクセントを習得する必要があり、ダイアレクトコーチからテープを渡されていたのだが、明らかに練習が足りていなかった。まだ23歳の彼女は何もかも嫌になったのだろうか。翌朝、何の断りもなくホテルをチェックアウトして、ロサンゼルスに帰ってしまった。

撮影が目の前に迫り、セットも衣装も完成している段階で主演女優を失ったズウィックは、大パニック。そんな彼を、最初、スタジオは「彼女はきっと戻ってきてくれる」と慰めた。しかしそうはならず、600万ドルと多くの労力を費やしたこの映画は中止になってしまった。

暴君ワインスタインが放った一言

がっかりしたズウィックに次の希望が訪れたのは、1994年のこと。面識のなかったハーベイ・ワインスタインが、ズウィックの『レジェンド・オブ・フォール/果てしなき想い』(1994)を気に入ったとのことで連絡をくれ、「次に作りたい映画はあるか」と聞いてきたのだ。

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