1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 社会
  4. 社会

小池氏が担いだ乙武氏惨敗で都知事選に「暗雲」 学歴詐称疑惑再燃、「思わぬ苦戦」の可能性も

東洋経済オンライン / 2024年5月3日 9時0分

しかし、告示後に実施された各種情勢調査では、いずれも乙武氏は劣勢で、焦った小池氏は、乙武氏への推薦を見送った自民と公明の都連国会議員らに、連日自ら電話で支援を求め続けたとされる。そのうえでの惨敗だけに「選挙に強いとされてきた小池神話が崩壊した」(政治ジャーナリスト)ことは間違いない。

都知事としての国政選挙敗北は3度目

小池氏が都知事として臨んだ国政選挙での敗北は、「希望の党」を立ち上げて敗れた2017年衆院選と、2022年の参院選東京選挙区で擁立した元秘書が10位と低迷したことに続く3度目。特に今回の惨敗には小池氏周辺からも「初の女性首相を目指しての国政復帰への期待など全くなくなった」との厳しい声が漏れてくる。それもあってか、小池氏は落選が決まった28日夜には、選挙事務所にも姿をみせなかった。

そうした状況の中、約1カ月半後の6月20日には都知事選が告示される。これまで出馬するかどうかを明らかにしてこなかった小池氏だが、3月末の人事で副知事1人を新たに登用する一方、側近を異例の処遇で続投させたことなどから、「3選出馬は既定路線」(都幹部)との見方が支配的。中央紙が補選で実施した出口調査でも「小池知事を支持する」という回答が半数以上だったとされ、「乙武氏の敗北による知事選への影響は少ない」(選挙アナリスト)とみる向きも多い。

ただ、「再燃した学歴詐称疑惑をさらに深めるような新たな展開があれば状況は変わる」(政治ジャーナリスト)との指摘もある。小池氏を巡る今回の学歴詐称疑惑再燃のきっかけとなったのは、4月10日発売の月刊文藝春秋5月号での「小池百合子元側近の爆弾告発」と題する特集記事だ。

これも踏まえ、小池氏と長年の交流があり、同氏の学歴詐称疑惑についてもその信憑性を指摘してきた舛添要一前東京都知事は、28日夜の東京15区補選の開票終了に合わせて、自らのXに「小池都知事が支援した乙武は5位に沈んだ」「小池の国政復帰などあり得ないし、彼女がこれ以上東京を沈没させるのは阻止すべきだ。政界からの引退を求める」と書き込んでいる。

「3選出馬」確実視、主要メディアも疑惑報道自粛へ

こうした状況を受け、小池氏の3選出馬が焦点となる都知事選に向け、立憲民主や共産などの野党関係者、市民団体が1日、国会内で選定委員会の4回目会合を開き、小池氏の対抗馬擁立について協議した。その結果、「候補者は5人以内に絞られた」(立憲幹部)として、5月下旬までに有力な対立候補を正式決定する構えだ。

そこで都知事選関係者が注目しているのは、小池氏の疑惑について「文藝春秋や他メディアが、さらに踏み込んだ材料を記事化するかどうか」(自民都連幹部)。ただ、「ここにきて文春側は、都知事選への政治的影響も考慮して、さらなる“小池攻撃”は自粛する方向」(文春関係者)との見方も出ている。

その一方で、主要メディアもこれまでと同様に「小池氏の学歴詐称疑惑は報道しない姿勢を変えていない」(政治ジャーナリスト)とされる。しかも、「岸田首相の会期末解散断行で衆院選と都知事選がダブル選となる可能性もある」(自民長老)だけに、「その場合は小池疑惑が政局混迷の渦の中に消える」(都知事選関係者)との声もささやかれている。

泉 宏:政治ジャーナリスト

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください