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番記者が振り返る、大谷「エンゼルス」選択の妙 二刀流実現の「軌跡」と大谷が目指したもの

東洋経済オンライン / 2024年5月4日 13時40分

ディラン 彼ならできるとは思ったけど、でもそれ以上に、単にメジャーで二刀流をやる選手というのを見てみたい気持ちが大きかった。当時、二刀流が可能だなんて思っていた球団は、そんなになかったと思う。

サム・ブラム(以下、サム) そもそも日本でできていたんだから、アメリカでも可能性はあるだろうと考えるのは普通のことだと思う。

ただし、打者として50本近くホームランを打って、投手として160イニング以上投げられるとは、さすがに誰も想像していなかったとは思うけど。単にメジャーで二刀流ができるかどうかよりも、そっちの方が誰も予想できていなかったと思う。

ディラン 投手・大谷をどう使うべきなのか。その頃、ナショナルリーグは、まだ指名打者制度を導入していなかったから、クローザーで使うことを考えていたナ・リーグ球団もあった。

8回まで右翼手として起用して、その後クローザーとして起用するとか。それだと年間60〜70イニングを投げることになる。

それもあって、大谷はエンゼルスを選んだと思う。そんなに強いチームではないから、大谷の活躍のためなら、何でも受け入れてくれるだろうし。

その点で、日本ハムとエンゼルスには、多くの共通点があった。大谷が日本ハムに入団した時、ダルビッシュが退団したばかりで、チームは再建中だった。だから、「よし、こいつには二刀流をやらせてみよう」と思えたんだと思う。

それでMVPをとるまでに成長した。チームも中田翔とか若手が成長してきて優勝した。大谷は、「エンゼルスに入って、チームと一緒に自分も成長しよう」と思い描いていたんじゃないかと思う。

でも実際には、大谷は飛躍したけど、エンゼルスは低空飛行を続けるどころか下降してしまった。

エンゼルスを選んだ理由

トモヤ 大谷はいまだにエンゼルスを選んだ理由を明言していない。最大の理由は何だったと思う?

ディラン 1つは状況だと思う。

たとえば、ワールドシリーズを争うドジャースに行っていたら、「うちは必死なんだ。君に打ったり投げたりを試してもらっている余裕はないんだ」と言われたかもしれない。

そもそも、防御率27.00だった最初のスプリングトレーニングの後に、1軍に残れなかったかもしれない。

エンゼルスは、彼にすぐに結果を求める必要があるほど強いチームではなかった。

だから大谷も、「まずはエンゼルスで二刀流を完成させよう。マイク・トラウトもいるし、自分が二刀流で活躍できるようになれば、優勝も狙えるようになるはずだ」と考えたというのが僕の推測。

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