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夏日は昔より増えた?東大生的「数字の見方」要諦 ぼんやりとした物事の「理由」を明確にする

東洋経済オンライン / 2024年5月9日 10時30分

ただ、この分析で違和感を持つ人がいるかもしれません。現代の気温として使ったデータは2004年から2013年までの10年間。最新のデータであれば2014年から2023年までの10年間を使用するべきではないのか、と。

実は、2014年に東京の気象観測地が変わったため、それでは正確な比較にならないのです。

北の丸公園のほうが気温が低い

それまで千代田区大手町で観測していた東京の気象情報は、2014年以降、千代田区の北の丸公園で観測するようになりました。2014年当時の気象庁の資料によると、最低気温は北の丸公園のほうが年平均で約1.4度低いとされています。つまり、この10年間は東京で冬日が観測されやすくなったといえそうです。

実際、2014~2023年平均の冬日日数は10.5日となっており、2004~2013年平均の3.1日より増加しています。ただし、2023年10月~2024年3月については、冬日が観測地の変更後、最も少ない2回にとどまっています。

気になるのはそれだけではありません。東京、横浜、名古屋、京都と全国13地点における真夏日と冬日の日数変化量(1904~1913年平均-2004~2013年平均)を見ると以下になります。

●冬日

東京:▲60、横浜:▲58、名古屋:▲67、京都:▲70、全国13地点:▲21

●真夏日

東京:+21、横浜:+22、名古屋:+14、京都:+15、全国13地点:+7

東京などの大都市圏は他の場所よりも冬日の日数の減少、そして真夏日の日数の増加の割合が大きくなっています。

ヒートアイランドも気温が下がらない一因

この原因とされているのが、「ヒートアイランド現象」です。ご存じの方も多いと思いますが、ヒートアイランド現象とは、都市部が周囲の郊外や田舎の地域に比べて気温が高くなる現象です。

これは、都市での建物や舗装された地面が太陽の熱を吸収しやすく、また、植物が少ないために冷却作用が弱まることが原因で起こります。

さらに、車やエアコンなどから排出される熱も都市の温度を上昇させます。この現象は、夜間に特に顕著になります。都市が熱を保持し続けるため、昼間の熱が夜になってもなかなか逃げません。

このことが、夜間時の気温が下がらず、最低気温が氷点下にならないことにつながっているのです。

このようにデータを使って詳細に分析していくと、ぼんやりとしか見えていなかった物事の「理由」が明確になります。

永田 耕作:現役東大生・ドラゴン桜チャンネル塾長

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