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「歩きスマホ」の習慣がもたらす想像以上の悪影響 人にぶつかるだけでは済まない「深刻な事態」も

東洋経済オンライン / 2024年5月10日 11時0分

周辺視野は歩きスマホで起きるような危険から身を守るためにも大切ですが、運動能力にも深く関わっています。

たとえばプロのサッカーなどでは「視野が広い」といわれる選手がいます。周りの選手の動きがよく見えていて、意表をつくようなパスを出したりする選手です。後ろにも目がついているの? と思うほど彼らの周辺視野を見る能力は優れています。

このような能力は生まれつき備わっているわけではありません。子どものころから外に出ていろいろな経験を積むことで周辺視野にも注意が向くようになり、ボールや石が飛んできたときに「これは避けなきゃいけない」などと判断するなかで、視野の広さが磨かれていくわけです。

ところが小さいころからスマホ漬けで視野が狭くなると、人とよくぶつかってしまったり、飛んできたボールを避けたり捕ったりするのが苦手になったりすることがあります。

そんな経験が積み重なると、スポーツ自体が嫌になってしまう子どもも少なからず出てくることでしょう。運動神経や筋力などとは関係がなく、目のせいで運動が苦手になってしまうことだってあるのです。

立体感、遠近感をつかむ機能が低下

遊園地のアトラクションなどにある、3Dで飛び出してくる映像を見たことがあるでしょうか。とっても臨場感があって楽しいアトラクションですが、実は飛び出して見える人と、そうでない人がいます。

これは、目の「両眼視機能」がうまく働いているかどうかの違いです。
両眼視機能とは、同時に両目でものを見る能力のことで、水中から陸上へ上がった生き物のなかで、人をはじめとした限られた動物だけが身につけています。

この機能は同時視、融像、立体視に分類されます。左右の目で捉えた情報を脳内で合わせることで、立体感のある映像として認識することができ、遠近感もつかめるわけです。

なんだか難しくてピンとこない人は、もし近くにゴミ箱があったら、丸めた紙を投げ入れてみてください。最初は両目で見て、次に片目をつむってやってみると、片目のときは遠近感がうまくつかめないのがわかると思います。もしくは、その辺にあるコップやペットボトルを片目でつかもうとすると、ちょっと距離感に不安がありませんか? それは両眼視機能が働いていないからです。

この両眼視機能が、スマホの使いすぎによってうまく働かなくなる危険があります。もし、あなたのお子さんが20センチや15センチなど、非常に近い距離でずっとスマホを見ているとしたら危険です。

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