19歳で退位「花山天皇」出家した"その後の人生" 兼家・道兼に騙され出家、退位に追い込まれた
東洋経済オンライン / 2024年5月12日 11時20分
NHK大河ドラマ「光る君へ」がスタートして、平安時代にスポットライトがあたっている。世界最古の長編物語の一つである『源氏物語』の作者として知られる、紫式部。誰もがその名を知りながらも、どんな人生を送ったかは意外と知られていない。紫式部が『源氏物語』を書くきっかけをつくったのが、藤原道長である。紫式部と藤原道長、そして二人を取り巻く人間関係はどのようなものだったのか。平安時代を生きる人々の暮らしや価値観なども合わせて、この連載で解説を行っていきたい。連載第18回は、兼家・道兼親子に騙され出家した、花山天皇のその後の人生を紹介する。
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花山天皇の出家後の人生とは?
歴史ドラマにおいて、登場人物の命が尽きるシーンは、物語を盛り上げるうえで欠かせない。しかし、全員の臨終場面を描いたら、放送時間がいくらあっても足りなくなるだろう。
そこでナレーションによって「○○は討ち死にした」といったように、登場人物の死亡が説明されることが、歴史ドラマでは少なくない。
いわゆる「ナレ死」と呼ばれるもので、あっけなく退場させられる登場人物の切なさに、おのずと思いが寄せられる。だが、それでも死が視聴者に知らされるだけマシである。
ストーリー上、もう見せ場がなくなり、気づけばいなくなって、最後まで登場しない……。そんな人物も数多いる。
今回の大河ドラマ「光る君へ」においては、花山天皇がまさにそうなってもおかしくなかった。
花山天皇の生涯でいちばんのハイライトは何といっても、藤原道兼に騙されて出家し、退位に追い込まれる場面だろう。明治時代には、 画家の月岡芳年が「花山寺の月」という浮世絵でその姿を描くなど、後世に語り継がれることとなった。
「花山天皇の出家計画」を立てて、道兼に指示したのは、父の藤原兼家だったとされている。兼家からすれば、花山天皇さえ退位してくれれば、孫で皇太子の懐仁親王を天皇に即位させることができる。
陰謀を実行した結果、兼家の思惑通り、花山天皇は出家して退位。懐仁親王が一条天皇として即位する。外戚となった兼家は摂政となり、権勢をふるい、息子である道隆、道兼、そして道長の地位を引き上げていく。
つまり、ドラマにするならば、花山天皇の物語は退位劇がクライマックスであり、その後はフェイドアウトしてもおかしくはなかった。
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