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配信開始で話題「GB版マリオ」今見ても独特な中身 Switchで遊べる「マリオらしくないマリオ」

東洋経済オンライン / 2024年5月17日 12時40分

1つは『スーパーマリオブラザーズ』と開発陣が異なるからである。『スーパーマリオランド』のディレクターは宮本茂氏ではなく、「光線銃SP」などを設計した岡田智氏が担当していた。

映画において監督をはじめ制作チームによって作品の色が出るように、テレビゲームもまた開発スタッフが異なれば中身も変わる。至極当然のことといえる。

もう1つは、当時の「マリオのイメージ」が固まっていなかったことが考えられる。いまでこそマリオは、配管工で少し身長の高い弟がいてイタリア系移民で……と設定がいろいろと固まっているものの、当初はそうでもなかったようである。

徐々に作られていったマリオのイメージ

マリオの生みの親である宮本茂氏は、マリオの帽子・ヒゲ・オーバーオールといった特徴は制作上の制約からそうなったと語っており、デザインにこれといって意味を込めたわけではない。ましてやそのほかの設定に関しては決める必要もなかったわけで、マリオのイメージは徐々に作られていったのである。

キャラクターコンテンツの扱い方そのものにも時代の違いがあるだろう。かつてはマリオが永谷園のふりかけのCMに出ていたそうだが、いま同じことをすると違和感のほうが勝りそうだ。「そもそもマリオはふりかけご飯を食べたことがあるのか?」と思ってしまうが、昔は誰もそんなことを考えなかったのだろう。

『スーパーマリオランド』にモアイやキョンシーが出ているのも、はやっていたものを素直に取り入れたのではないかと考えられる。コンテンツの作り方自体にも時代の違いがあるのだろう。

このように、現代から見るといびつともいえる『スーパーマリオランド』だが、それでも多くのゲーム好きに愛されている作品だ。

携帯機でマリオが遊べた感動

改めて遊ぶと気になるところはいろいろあり、画面スクロールが滑らかでない、操作のクセが非常に強く難しいなど、問題といえる部分は存在する。だが、そうだとしてもゲームボーイという携帯機でマリオが遊べる感動があったのだ。

独特な世界設定も今から見れば味わい深いし、「スーパーマリオ」最新作でプレイアブルキャラクターにもなっているデイジーの初出演作と見れば、むしろ歴史的な価値が出てくるといえる。

何より、『スーパーマリオランド』によって、多くの人があの小さなモノクロ画面に熱中したのである。その思い出は画面に焼き付くかのように、心に刻み込まれいつまでも忘れられないのだ。

渡邉 卓也:ゲームライター

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