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ryuchellさんに面差しの似た「元女性」の歩む人生 12歳でトランスジェンダーを学び、早期に打ち明け

東洋経済オンライン / 2024年5月19日 13時0分

そのインストラクターの名前はメノ・トーマスさん。ニュージーランド出身で、ご本人のインスタグラムから、今年24歳になることがわかりました。

現在も働くフィットネス会社でのロングインタビューによると、メノさんの母親が同じ会社のインストラクターをしており、お父上はラグビー選手というスポーツ一家に育ったそうです。

当初はインストラクターの道を志すつもりはなかったものの、弱冠15歳で素質を認められ、結局母親と同じ道に。インストラクターとして活動し始めた時期が、トランスジェンダーとして性別を移行する「トランジション」の頃とちょうど重なっていたとのことです。

生来人見知りだったメノさんですが、この時期インストラクターとして活動していたことで自分に自信を持つことができ、またセクシャリティについて気持ちが揺れ動いていた多感な時期にも、自分自身を知るための助けにもなったと話しています。

メノさんは双子の姉妹の姉として生まれましたが、メイクやドレスが大好きだった妹とは異なり、おてんばだったそうです。幼稚園の頃から女子らしい服装が嫌で、嫌で仕方なく、12歳くらいの頃からトランスジェンダーについていろいろと学んだり母親と対話をしたりして、その数年後、かなり早い時期にカミングアウトをしています。

驚くべきは、カミングアウトに対する当時の周囲の反応でしょう。ご両親や親しい友人らは「すでになんとなくわかっていた。カミングアウトしたあなたを誇りに思う」といい、また敬虔なクリスチャンの祖父母も「あなたが幸せなら」と理解を示したそうです。

そのうえ、通っていたカトリックの女子校でもサポートがあり、ご本人の希望でカミングアウト後に在籍を続けても、不快な体験をすることはまったくなかったと言います。

メノさんにはまた、学習障害もあるそうです。双子の妹と共に27週目に生まれた早産児でした。何かを学ぶ際には、何度も繰り返すことが必要だそうですが、メノさんは障害についても隠すことなくオープンでいるとのこと。「恥ずかしいことではないからです」「(障害と)ともに生きることを学びました」(メノさん・2022年フットネス会社とのインタビュー)

トランスジェンダーに寛容な国、というわけではない

そんなメノさんの暮らすニュージーランドは、トランスジェンダーの人たちにとって完全に寛容で、環境の整った国かといえば、必ずしもそうではないようです。

ニュージーランドは2021年末、性別と性自認を一致させるための医療的処置の証拠を提示しなくても、出生証明書に記録されている性別の変更を認める法案を可決しました。性自認の権利を護る法案として、概ね歓迎されています。

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