1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. ライフ
  4. ライフ総合

「婚活よりつらい経験」40歳女性が直面した"現実" 彼との結婚はイコール不妊治療の始まりだった

東洋経済オンライン / 2024年5月23日 11時30分

そこで先日、さだおに「不妊治療をしても、子どもを授からなかったらどうする?」と聞いてみた。すると、さだおが言った。

「そんなマイナスな気持ちでいたら、うまくいくものもいかなくなるよ。自分にとっての結婚は、子どもを授かることが最優先。みきちゃんだってそうでしょう? とにかく2人で頑張ってみようよ。子どもを授からないなら、結婚する意味はないでしょう?」

みきえは、筆者に言った。「よくよく考えてみると、不妊治療ってすごく不平等ですよね」。

「男性は精子を病院に渡せば、それで任務完了。それを卵子と受精させ、受精した卵子を女性の体に戻すけれど、着床するとは限らない。もし着床してもそこから育つとは限らない。戻してからの過程は、すべて女性が背負うことになる」

そう考えると、だんだん苦しくなってきたという。

「彼との結婚、イコール不妊治療のスタート。そして、もしも子どもを授からなかったとしたら、そのときには2人の気持ちがすれ違って、関係が終わる気がするんです」

その気持ちをさだおに正直に告げたようだ。しかし、彼からは「もしも頑張って授からなかったら、そのときは2人で仲よく暮らしていけばいいよ」という言葉は出てこなかった。

彼にとって、結婚イコール子ども。これが絶対条件だった。不妊治療に後ろ向きになってきたみきえに、不信感すら抱くようになった。

話し合いを重ねた結果、「この結婚はやめよう」という結論に2人で至った。

婚活より妊活のほうがつらい

「(さだおとの)結婚はなくなりました」と、電話で伝えてきたみきえは、声を詰まらせていた。

「“子どもを授かりたい。だから、結婚しなきゃ”という思いで婚活をしていたのですが、そこが絶対になってしまうと、自分の首を絞めるというのが、今回のことでわかりました。結局、私には結婚をする覚悟ができていなかったのかもしれません」

これまで筆者の相談所を成婚退会していった元女性会員のなかは、不妊治療をしていた人たちも多い。現在、している人たちもいる。

つらい不妊治療を経て、子どもを授かった人もいれば、年齢的なタイムリミットや、これ以上治療費をかけられないという金銭面から、授からずに治療をあきらめた人たちもいる。

不妊治療をした女性たちが、筆者に言っていた言葉は共通していた。

「婚活は大変だったけれど、妊活はもっと大変でした」

子どもを授かりたいがために、婚活をしている人は多いと思うのだが、まず大切なのは、子どもを授かることよりも2人の関係を築くこと。それを念頭において、婚活をしていくことが大事なのではないだろうか。

鎌田 れい:仲人・ライター

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください