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ソニーがアニメ事業へ「超本気」で踏み込む胸算用 日本のアニメ業界が抱える"闇"を払拭できるか

東洋経済オンライン / 2024年5月24日 13時15分

ほかにも、アニメ制作の現場で使われているソフトウェアはイラストや漫画用に設計されたものが多く、煩雑な作業が多いという問題もある。

不明瞭な制作過程や、劣悪な制作環境といったクリエーターにとって厳しい状況が改善されなければ、日本のアニメ産業が持続的に成長していくのは不可能だ。ソニーは今年度以降に実施する制作用のソフトウェア供給や、人材育成の面で業界構造全体の変革に取り組むことになる。

2024年度から2026年度までの中期経営計画で、ソニーは営業利益を年平均10%以上成長させる目標を掲げている(金融事業は除く)。成長の牽引役はゲーム、音楽、映画のエンターテインメント3事業と、半導体事業だ。

一方でM&A等の戦略投資は自己株取得も含めて累計1.8兆円を上限とし、これまでの投資で獲得したIP(知的資産)から得られる収益の回収と、株主への還元を優先する。一部で4兆円規模と報道されているアメリカの映画製作大手、パラマウント社の買収については、慎重な姿勢を示した。

映画事業の成長もアニメがカギ

経営方針説明会に登壇した十時裕樹社長は、アニメの位置づけについて「映画事業の成長ドライバーはクランチロールになる。クランチロールは(アニメの)配信プラットフォームなので、優良なコンテンツが多く登場し、ヒットすることが重要」と指摘した。

そのうえで「クリエーターの支援は業界全体のために行うことだが、巡り巡ってわれわれの事業の成功にもつながる」と業績貢献への期待も隠さなかった。

エンターテインメント企業としての持続的な成長に向け、アニメ業界構造の変革に自ら乗り出したソニー。今後の取り組みが注目を集めそうだ。

梅垣 勇人:東洋経済 記者

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