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「サウナに入っただけ」男性に生じたまさかの悲劇 気になる症状があったらすぐに病院に行こう

東洋経済オンライン / 2024年5月26日 7時0分

蜂窩織炎の原因菌の代表は、黄色ブドウ球菌だ。私たちの皮膚に棲み着く常在菌で、普段は悪さをしないが、何かのきっかけで増殖をすると、蜂窩織炎をはじめとした皮膚病を引き起こすことがある。

山田さんの場合、アトピー性皮膚炎の肌がサウナでさらに乾燥したことにより、菌が増殖しやすい環境にあった可能性があるという。

「山田さんが言うように、免疫力が低下していることも発症リスクになります」(菊池医師)

乳がんや子宮がんで手術を受けた人も蜂窩織炎になりやすいが、これは、手術によりリンパ液の流れが悪くなることが要因だ。

「リンパ液の流れが悪いと、細菌感染を起こしやすい。また、糖尿病で血糖コントロールの悪い人や肥満の人は免疫力の低下から、蜂窩織炎になりやすいことがわかっています」(菊池医師)

予防は「こまめにせっけんで手を洗う」

このため、普段から睡眠や食事、運動により、できるだけ免疫力を低下させないこと。また、肌を清潔に保ち、傷ができたら、しっかり消毒をすることなどが予防策となる。

「建設業や農業など、体を使い、外で働くためにケガをしたり、皮膚が汚れやすい職業の人は、こまめにせっけんで手を洗うこと。爪を短く切っておくことも予防策になります」(菊池医師)

早期発見も重要だ。治療しなければ広範囲に広がり、入院が必要になることもある。皮膚の痛みと熱があったら、迷わず、受診したほうがいい。

なお、蜂窩織炎と関連のある病気として、「劇症型溶血性レンサ球菌(溶連菌)感染症」がある。溶連菌は「人食いバクテリア」とも呼ばれ、感染しても多くの人は喉の痛み、発熱など風邪の症状にとどまるが、まれに劇症化し、手足から臓器に壊死が広がり、死に至ることがある。

2014年から患者数が増加し、現在、感染が拡大している。致死率30%と高く、救命のカギを握るのは、いかに早く治療ができるか、だ。命を守るための知識として、ぜひ知っておきたい。

本連載では、「『これくらいの症状ならば大丈夫』と思っていたら、実は大変だった」という病気の体験談を募集しています(プライバシーには配慮いたします)。具体的なお話をお持ちの方は、こちらのフォームにお送りください。

狩生 聖子:医療ライター

菊池 大和:きくち総合診療クリニック

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