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日経平均をめぐる「2つの激しい攻防戦」とは何か 「弱気派」と「強気派」、正しいのはどちらなのか

東洋経済オンライン / 2024年5月27日 9時30分

当然、これは株式市場にとって大きなマイナス材料だが、当日の日経平均は534円高となって、25・75日移動平均を一気に抜いた。なぜだろうか。株式市場は「名目値」を評価するからだ。メディアでは「GDP年率2.0%減」がタイトルだが、名目値で言うと「前期比年率換算+0.4%、前年同期比+3.4%でGDPは599兆円」となり、景色がまったく違う。

不人気政権がデフレ脱却宣言を出すかもと言われる「GDP600兆円」がはっきり見えたとしたら、534円高も当然と言える。企業業績は名目値で記載され、当然税金は名目利益にかかる。国家(経済)は名目値で運営されているのだ。

また、企業業績も見方によっては景色が違う。3月本決算企業による今期予想の発表が終わったが、東証プライム銘柄における、前2024年3月期決算の純利益は前々期比18%増と、予想以上の結果だった。

今2025年3月期の純利益予想は現在のところ前期比約4%の減益になっている。この景色では当然買えない。

だが、今期の減益予想の主な原因は、各企業が為替レートを読めないことで極端に慎重な予想を出したことによる。

思い出してほしい。4月初めに出た日銀短観での企業の予想為替レートは1ドル=141円だった。そこから決算発表までさらに円安が進んだが、例えばホンダが1ドル=140円、トヨタ自動車は1ドル=145円で、為替予想は4月時とほぼ変わらない。

その結果が今期の純利益予想4%減予想というわけだが、もしこのまま第1四半期決算を出す7月後半から8月前半まで、今のような150円台後半の円安のままだったら、「今期第1弾の上方修正」が出ると思われる。

もちろん、第1四半期なので企業の多くは慎重な見方を変えないだろうと思われる。だが、急激に円安が進んだ前期も、当初予想は約3%増益だった。

それが第1、第2、第3四半期と進むにしたがってその都度大きく上方修正され、結局18%増まで上昇したのだ。しかも、今期予想は慎重だと言われているが、それでさえ、日経平均の予想EPS(1株利益)は5月9日の2181円をボトムに、23日には2369円に上がっている。

アナリストレポートを得た個別株は強い値動きに

前回の記事「5月の日本株は『セル・イン・メイ』ではなく買いだ」では、兜町筋はとりあえず決算発表後のアナリストレポートが出そろうのを待って、レポートによるマーケットの反応を確認してから攻めようとしている、という趣旨のことを書いた。

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