「1日1切れの魚」が中高年に必須な"科学的裏付け" 医師が勧める「50歳前後から変えるべき食習慣」
東洋経済オンライン / 2024年5月28日 13時0分
生活習慣病の予防と治療に詳しい医師の岡部正さんは、『ズボラでも中性脂肪とコレステロールがみるみる下がる47の方法』の「はじめに」で、脂質異常者は自覚症状がないからと油断していると大変なことになる「警告としての生活習慣病」だ、と訴えています。
それは高血圧や糖尿病も同じで、自覚症状がないからといってほったらかしにしていると、じわじわ動脈硬化を進め、ある日突然、心筋梗塞や脳卒中などをズドンと引き起こすのです。
“ズドン”の前に中間警告をハッキリしてくれるのは、尿酸値ぐらいです。
尿酸値が高くなると痛風という形で症状が出ます。そして、足で痛風が起きていたら、腎臓や心臓にも痛風のもと(尿酸塩結晶)ができているかもしれませんし、動脈硬化が進んでいる可能性も高いのです。
痛風以外の生活習慣病はほとんど症状がありませんが、健康診断で問題を指摘された人は、「“ズドン”に一歩近づいてしまった」と比較して、健康習慣を1つでも多く取り入れていただきたいと思います。
健康法にはヒットとホームランがあります。エビデンスは“統計学的に信頼性の高い結果”であって、エビデンスのある健康法はいわば“ヒットを打てる確率が高いもの”です。
一方で、自身の体調が劇的に良くなるなど、ホームランが打てるものは、実はエビデンスのないもののなかに隠れていることもあります。
といっても、まず取り入れるべきはエビデンスのある健康法といえるでしょう。
特に、体の健康を保ち、病気を防ぐ健康習慣は、豊富なエビデンスをもとに正解がだいたい決まっています(加工肉の食べ過ぎが一部のがんを増やすなど)。なおかつ、「これさえやれば大丈夫」というものではないので、ヒットを積み重ねる意識が大事です。
まずはご紹介した食習慣など、無理なくできそうな健康習慣をなるべく多く取り入れてもられたらうれしいです。
森 勇磨:産業医・内科医
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