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"数学できる子"には「見えない数字」が見えていた 「できる子」「できない子」見分ける魔法のクイズ

東洋経済オンライン / 2024年5月29日 9時0分

3000人の中で300人が合格するA塾に対して、B塾はなんと全員が合格しています。

先ほどの話も踏まえて考えると、裏側には「合格率」という数字が存在するのです。

「入塾者」×「合格率」=「合格者」

ですよね。もっと言えば、

「合格率」=「合格者」÷「入塾者」

です。

A塾の合格率は「300人÷3000人=10%」ですね。それに対してB塾の合格率は「100人÷100人=100%」です。B塾はみんな合格していて、A塾は10人に1人しか受からないのです。

合格者数という、「見えている数字」で比較しているうちは、その本質が見えてきません。それは一部分だけを見ているのと同じだからです。見えていない数字を意識できるようにならないといけないのです。

「全体を見る」ことで数字のセンスが高まる

この思考ができるかどうかは、ダイレクトに数学の成績に直結します。

例えば数学でよく出てくる問題として、「コインを3回投げる。このとき、少なくとも1回は表が出る確率は?」というものがあります。

この問題、コインは1/2の確率で表か裏が出るわけですので、「じゃあ、3回中1回表が出る場合と、3回中2回表が出る場合と、3回中3回表が出る場合の、3パターンを考えて、足せば答えが出るよね」と考える人がいますが、これは面倒くさいです。3回も計算しなければならないからですね。

この計算方式を数式で表してみましょう。

「3回中1回表が出る場合」=A
「3回中2回表が出る場合」=B
「3回中3回表が出る場合」=C

とおくと、
A+B+C=「少なくとも1回は表が出る確率」

となりますね。

全体から部分を引けば「残り」が出る

ここで、先ほどから登場している「見えない数字」を考えてみましょう。例えば今回、「3回中○回表が出る場合」を考えたわけですが、この○の回数って、もう1個ありますよね?

そう、「0回」です。

「3回中0回表が出る場合」をDとおくと、こんな計算式が出てきます。

A+B+C+D=「全体」

この「全体」というのは、確率の世界だと「1」となります。コインを投げて表が出る確率は1/2で、裏が出る確率は1/2となります。「1/2+1/2=1」ですよね。これは、表か裏は必ず出て、表か裏以外が出ることはない、ということを意味します。

そして、A〜Dを確率で考えると、

A+B+C+D=「全体」=1

となりますね。

さて、これで1つ、見えてきたことがあります。それは、

「少なくとも1回は表が出る確率」=A+B+C=1-D

ということです。「A+B+C+D=1」なら、「A+B+C=1-D」と解釈できるわけですね。

つまりは、「1回も表が出ない確率」を求めて、それを全体から引けばいいのです。「全体」から「一部」を引くことで、「残り」がわかるわけです。

そして、「1回も表が出ない」のは、「1/2×1/2×1/2=1/8」だと計算できますよね。それ以外は全部「少なくとも1回は表が出る確率」になります。ですから、「1-1/8=7/8」になるというわけです。


このように、「見えているものがすべてだろうか?」と考えて、見えていない数字を意識した思考ができる人は、数学の問題が解けて、数字に強くなり、いろんな場所でこの思考を応用できるのです。

みなさんぜひ、参考にしてみてください!

西岡 壱誠:現役東大生・ドラゴン桜2編集担当

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