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中年になっても物覚えがいい人になるための秘策 学んだことを記憶に定着させるための脳の使い方

東洋経済オンライン / 2024年5月31日 18時0分

常に睡眠不足の状態だと、それだけで記憶系脳番地の働きが落ち、ファイアリングの機会は減っていきます。さらに海馬は、できるだけ自分の仕事量を減らそうと考えているので、さらっと目を通した程度のことは、さほど重要ではないと判断して受け流します。

勉強を頑張りたいので記憶系にご機嫌で働いてほしいと望むのであれば、「◯◯について学ぶので、なにとぞ宜しくお願い申し上げます」と海馬ちゃんに謙虚にお願いし、御百度参りをするくらいの誠意を見せないといけません。

あなたの日常の行動を海馬は見ている

こちらの本気度、誠意が海馬に伝わると、「これについては長期記憶に入れてあげよう」という海馬との契約が成立し、記憶の定着のルートが開かれます。

一度契約が成立すると、関連する情報が入ってきたときにファイアリングしやすくなるという特典もついてきます。

一方、本気度が契約成立の条件であるがゆえに、SNSやゲームなどをしている時間が長く、視覚系と聴覚系の両方を使って集中して取り組んでしまうと、「脳の持ち主は今これに本気なんだな」と海馬が判断し、契約が成立してしまいます。

これが行きすぎるとゲーム依存、スマホ依存などになってしまい、本来するべきはずの勉強が手につかないという状態に陥ってしまうことも。生活の中での優先順位を明確にすることも、記憶系のファイアリングには重要です。

海馬はとにかく受け身姿勢。とても刺激的なことやインパクトが強いことには、強いファイアリングを起こし、勝手に契約を結ぼうとします。学んだことを効率よく長期記憶に入れたいのなら、海馬ちゃんにとにかく熱意と誠意を見せることが重要です。

あなたが今熱中していること、時間を割いていること、決まった時間にやっていることを海馬ちゃんは重要だと判断し、長期記憶を契約を結ぶ。

(※外部配信先では図表などの画像を全部閲覧できない場合があります。その際は東洋経済オンライン内でお読みください)

中年になると海馬に刺激を与えられなくなる理由

年を取ると、多くの物事を見聞きしているため、慣れが生じ、全部同じように見えてくるので、刺激的だと感じることが少なくなりますよね。このため、年を取れば取るほど海馬はファイアリングしにくくなります。

海馬がファイアリングするためには、理解系がしっかり働いて、「この刺激は昔の刺激とここが違って面白い」と違いを説明することが重要です。

また、記憶系脳番地は8つの脳番地の中でもっとも低酸素に弱い性質があります。ぼーっとしがちなときは、海馬が低酸素に陥っている可能性が大。いったん自分がやっていることから離れて、海馬を休ませてあげましょう。

左脳の海馬は言語系、右脳の海馬は非言語の映像系の役割を主に担っているので、参考書で勉強しているなら、言語系(参考書を読む)から映像系(YouTubeを使って勉強)に切り替えてあげると、左脳の海馬を休ませてあげられることになります。

自分の状態を把握して、海馬ちゃんのパフォーマンスが下がらないようにしてあげることが重要です。

加藤 俊徳:医学博士/「脳の学校」代表

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