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中古マンション「戸建てより大幅値上がり」のなぜ 買って損しない「資産性を保つ」絶対条件とは?

東洋経済オンライン / 2024年5月31日 11時0分

こうなると、中古マンションに積算価格は適合しにくい。結果として、周辺の取引された事例と比較して、価格を決めることになる。これを「比準価格」と言う。こうなると、周辺に高値の新築が出ると、新築とも比較して価格は上がりやすくなる。

この前提に立つとマンション独歩高は不思議ではなくなる。建築費は木造よりも鉄筋コンクリート造のほうが値上がりしている。土地代は戸建て用地とマンション用地の上がり方は比較にならないほど違う。戸建て用地は戸建て以外に利用用途がない。

その売り主になるのは、すでに持ち家を持っていた高齢者になるケースが多い。相続が発生して売却される土地は死亡人口と比例するのに対して、戸建てを購入したい人はファミリー世帯に限られる。つまり、供給は死亡人口、需要は出生人口に比例するのだ。

少子高齢化が急速に進む日本では死亡人口は増え続け、出生人口は減り続け、2008年以降死亡人口が出生人口を上回り、総人口が減少の一途をたどっている。こうなると、戸建て用地の需給バランスは逼迫する方向には動かない。

コロナ禍で一時的に歯止めはかかったが…

これに一時的に歯止めをかけたのが、コロナ禍のステイホームだった。リモートワークが増え、仕事場スペースがない自宅の住み替え需要が急増した。この際、戸建て用地価格は上昇した。その際に飛ぶように売れた新築分譲戸建てを街の不動産屋が土地を買って、ビルダーに建ててもらい、短期で売りさばく事業に参入が相次いだ。

こうして、戸建て用地価格は高騰したが、今は売れ行きも落ち着き、土地の在庫件数は急増し、価格が落ち始めているのが2024年の現状だ。

一方で、マンション用地はマンションだけでなく、オフィスビルや商業ビルやホテルなどになる可能性がある。今なら、コロナ後に盛り返したインバウンド需要が旺盛で代金を上げやすいホテルの収益性をマンションが上回るのは難しい。

そうなると、都心や駅から離れた立地でないと新築分譲マンションは供給されない。単純にこれまでとは立地が劣るということだ。とはいえ、こうした高層の建物が建つ買い手の多い土地は競争入札などを通して最高値で買い上げられていく。安くなる理由などどこにもないのだ。

こうして、オフィスやホテルには向かないが、マンションが集中して建つエリアでは価格が高騰する。その代表格が湾岸のタワーマンションだ。

大事な視点は「立地が優れているか」

勝どき駅の例を見てみよう。既存物件の相場はわずか2年の間に3割ほど値上がりした。同じ時期に売り出したA物件とB物件は販売期間が異なる。

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