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「運が悪い」と思う人が簡単に運気を上げるコツ 脳は簡単に自分の言葉やアクションに騙される

東洋経済オンライン / 2024年6月2日 16時0分

ちなみに、プラセボ効果の反対で、薬の効果などを疑っていると、効果が減ってしまう「ノーシーボ効果」という現象まであります(ウォルター・P・ケネディーの研究[3]によって世に出た概念です)。

なので、よい結果が出るかはわからないけど、悪い結果にはならなさそうな取り組みなら、基本的には信じるに越したことはないのです。脳は、意外に単純で騙されやすいものですから。

ラッキーボールの例も、「自分が持っているのはラッキーボールだ!」と思い込むことで、カップイン率つまり、よい結果の確率が上がるという実例なのです。

「自分は不幸だ」と思うと、幸運を見逃してしまう

幸運の学術的研究に関する第一人者と称されるハートフォードシャー大学のリチャード・ワイズマンは、「いわしの頭も信心から(信仰心が深いと、いわしの頭すら尊く思えてしまうこと)」は効果的な考えだと言います。

ワイズマンは、根本的に超常現象を否定する立場の研究者として、幸運と不運について客観的データと手法に基づいた、さまざまな実験や調査を科学的に行っています。

たとえば、ワイズマンが行った「人々は運の原因をほとんど洞察していないが、彼らの思考と行動が幸運と不運の大部分を担っていること」を明らかにした、こんな実験があります[4]。

ワイズマンは、自分を幸運と思う人と、不運と思う人を集め、両方に新聞を渡し、その中に写真が何枚あるかを探させました。

その新聞には、ページの半分を占めるスペースに、長さ5センチを超える大きな活字で、「これを見たと実験者に言えば250ドル(=約3万8000円)もらえる」というメッセージが書かれています。

要するに、ポイントは写真ではなかったのです。

結果、自称不運の人たちは写真を数えるあまりにこのメッセージを見逃す一方、自称幸運な人たちはメッセージを見つけて、予想していなかったラッキーな収入を得る傾向があったのです。

どうしてこのような違いが出るかというと、不運な人は幸運な人よりも緊張しやすく、その緊張によって写真以外の予想外の出来事に気づきにくくなると分析されます。

結局、自分が不幸だと思っていると、視野が狭くなって、せっかく幸運が転がっていても見逃してしまうということです。

この実験について、ワイズマンは英国放送協会(BBC)の番組でこう語っています。

「パートナーを見つけるために参加したパーティーで、よき友人に出会う機会を逃してしまう」

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