ヤバすぎる「マンション高騰」生み出した「真犯人」 外国人ではない!「問題の本質」「防衛策」も紹介
東洋経済オンライン / 2024年6月6日 10時0分
そしてご存じのように、円安も止まらない。
そのような中、日銀は2024年5月13日の国債買い入れオペ(公開市場操作)の通知において、残存期間5年超10年以下の国債の買い入れ額を4月の4750億円から500億円減額し、4250億円とした。しかし、これは日銀が国債購入額をたった約1割減らしたにすぎない。
国債の政府債務は1100兆円を超えているが、その過半に当たる600兆円前後を日銀が買ってしまっている。500億円程度減らしても、日銀の国債保有残高はほとんど変わらない。
買いオペ前日の12日、TBSテレビの報道番組「サンデーモーニング」で、寺島実郎氏(多摩大学学長)は「アベノミクスは政府主導による円安化政策」としたうえで、「異次元金融緩和と財政出動とデフレからの脱却は調整インフレ政策であり、意図的にインフレに持っていき、そのことによって円安にした」と説明した。
賢い為替トレーダーやエコノミストは、このあたりの事情を読み込んでいる。
いくら政府や日銀の周辺が国債購入の減額を「円安への牽制だ」としても、足元を見透かされているのだ。
日銀が政府債務を買い続けなければならないのは、もはや宿命に近い。
このように、これまで日銀による政府債務の超大量買い上げなどを通じて、かつてないほどのマネーが民間市場に供給された。
ゼロ金利解除後も、過去に日銀が買い込んだ国債、株、不動産(リート)は、日銀からはなかなか売れない。
「マンション1億円時代」を生み出したカラクリ
過去の超低金利政策、なかでも2016年からのマイナス金利政策下では、日銀の手によって不動産や株などが買い込まれ、資産価格をつり上げる政策として力を発揮した。いくら金利を下げても、設備投資や人件費、研究開発など前向きな投資にはほとんど向かうことはなかった。
そしてそれは前例のないカネあまりと超低金利を生み、大量の資金が資産市場に大量に流れ込む。株価が上昇すれば、その「資産効果」でマンションなどの投資対象にもなる不動産価格も上がる。
株の上昇によって資産が増えた富裕層が、市場に厚みがあり流動性が高く収益が見込まれるタワーマンションなどを買いに動いたのだ。
もう、みなさんもお気づきだろう。
昨今の不動産価格の暴騰を招いた真犯人は、政府と日銀である。
そして、このマンション1億円時代には、悪性インフレの悪夢が同居している。
今後も、政府の借金を日銀に押し付ける懸念は悪性インフレを予想させ、お金を優良不動産や株に変えようという動きが、すでに始まっているのだ。
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