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実写「ワンピース」年間1位"びっくり!の凄さ" 「ウィッチャー」「ザ・クラウン」抑えぶっちぎり

東洋経済オンライン / 2024年6月6日 14時0分

4.7兆円のうち、大半はゲームで占められ、映像による海外収入は1兆6000億円ほどです。この内の9割はアニメですが、過去の「クールジャパン施策」による効果とは言い難く、'60年代から個々が自力で続けてきた賜物です。

ただし、メディア環境が様変わりするなかではこれまでと同じようにはいきません。中身のある総合戦略で伸びしろを広げることにようやく目が向けられているのです。

続々生まれる実写化成功例

「ONE PIECE」の事例はグローバルプラットフォームで漫画やアニメの実写化に活路を見出していく強力な後押しになることが期待できます。原作次第では海外ドラマとして作ることができ、クオリティを追求するために十分な予算を充てることも可能です。

「ONE PIECE」の場合、2017年から計画に着手し、1話あたりの製作費は一部の海外メディアが報じた数字によると、1800万ドル(約28億円)に上ります。

また作者の尾田栄一郎自ら実写版の共同エグゼクティブ・プロデューサーを務めたことで原作の世界観がしっかり確保され、集英社も製作協力する体制が組まれました。さらにアメリカのNetflix製作チームに日本のNetflixプロデューサーも参加し、コミュニケーションの徹底化が図られました。この勢いで製作決定しているシーズン2にも期待が高まります。

「ONE PIECE」だけではありません。2023年は冨樫義博原作の「幽☆遊☆白書」の実写版も配信され、1700万ビューを記録しました。先のNetflixのレポートでは非英語の人気作品の1つとして紹介されています。

過去には、Netflix日本発作品として最高記録の視聴時間を保持する麻生羽呂原作の「今際の国のアリス」も実写化作品として成功例に挙げられます。Netflix日本発作品の中で初となるシーズン3の製作が決定し、ブロックバスター(超大作)級は実写版から生まれているのです。

今年に入り、また新たな成功例も作られています。北条司原作の実写版「シティーハンター」です。原作ファンでもある鈴木亮平を主演に理想的と言える実写化が実現しました。4月25日にNetflixで全世界配信されると、公式「週間グローバルTOP10(非英語映画)」(4/22〜28)で初登場1位を記録、これまでにフランス、韓国、香港、ブラジルを含む世界50の国と地域で週間TOP10入りを果たしています。

「残念な実写版」が作られてきた

これまで漫画アニメの実写化は駄作のレッテルが貼られることが少なくありませんでした。このたびの「セクシー田中さん」のような問題も起こっています。個々にさまざまな要因がありますが、広くは予算や技術の限界、そして映像化するメディアとの相性の悪さから残念な実写版が作られてしまっていました。

そんななか、「ONE PIECE」をはじめとするNetflixの成功例は、原作側と映像化する側、原作ファンと新たなファンそれぞれの条件が一致し、導き出されたのだと思います。

長谷川 朋子:コラムニスト

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