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意外に解ける「東大入試」が思考力の訓練に使える 「日常生活の1コマ」をテーマにした問題が少なくない

東洋経済オンライン / 2024年6月6日 11時0分

東大入試に出る数学は、意外と身近なテーマに関する問題が多いのです(写真:koro/PIXTA)

数学を使って世の中の仕組みを知ることで、物事を見る視野が広がります。現役東大生の永田耕作さんが数学の魅力について解説する連載『東大式「新・教養としての数学」』。今回は「東大入試から学べること」について解説します。

日常生活に絡んだ問題が多い東大入試

大学入試の中でも難関とされる東京大学の入試。毎年、多くの受験生が合格するために膨大な時間と努力を費やします。著者も東大を受験する時には、各教科20年分、多い教科は50年分以上も過去問を解き、問題の出題傾向を捉えようとしていました。

【表を見る】大型タクシー2台と小型タクシー3台の走行距離と運賃

そのときに発見したことがあります。それは、「東大の入試問題には、日常生活に絡んだ問題が多い」ということです。

今回は、『東大式「新・教養としての数学」』ということで、東大の入試問題の中から、日常生活の1コマをテーマにした問題を2つ紹介していきます。ぜひ皆さんも答えを考えてみてください。

① タクシーをどのように手配するか

何人かで目的地へと移動する際に、タクシーを使用することはあると思います。タクシーは電車やバスなどとは違い、行きたい場所の目の前まで向かうことができるため非常に便利な乗り物ですが、距離に応じて料金が上がっていくので使い過ぎに気をつけているという人も多いでしょう。

大人数でタクシーを利用する際、問題になってくるのが「何台呼ぶか」です。例えば5人で移動する際、通常のタクシーでは2台必要ですが、ジャンボタクシーといわれる乗車可能人数の多いタクシーを呼べば1台で済む場合があります。ただ、ジャンボタクシーは台数が限られていたり、料金が高かったりするため、必ずしもその選択肢が正しいとは限りません。

このように、皆さんも直面したことがあると思われるタクシー問題。このタクシーの料金形態に着目した問題が東大で出題されているのです。

実際に解いてみよう

問題:何人かがある距離を自動車で行くとき、大型ならば2台、小型ならば3台いる。大型の料金は1台につき最初の1kmまでが100円、その後320mごとに20円を加える。小型の料金は1台につき最初の1kmまで70円、その後480mごとに20円を加える。どのような距離を行くとき小型を使うほうが有利になるか。(東京大学1952年 一般数学)

この問題では、大人数で移動する際に、いわゆるジャンボタクシーを2台呼ぶか、小型のタクシーを3台呼ぶか、どちらのほうが安いのかについて、提示されている料金形態を利用して計算する問題になっています。

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