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「セクシー田中さん」報告書に批判殺到の根本原因 日テレ、小学館の報告書で当事者の証言が相違

東洋経済オンライン / 2024年6月6日 17時15分

ところが報告書ではこれらの原作者の要望は「脚本家には伝えられなかったようである」と記されています。この事実は、本件の大きな要素です。いくら説明をしてもその内容が十分には反映されない脚本に対して不信感が大きくなり、6月には原作者は脚本家を信頼できないと感じ始めます。

ドラマラストでは漫画で用意している結末を伝えているのにもかかわらず、プロットでは異なる結末が提案されます。そのため6月の段階ですでに原作者は終盤のドラマオリジナル部分は自分で書きたいという意向を示すことになります。

7・8月になるとラリーの中身はさらに詳細になります。要望を伝えても直らない、それでさらに詳しく説明を加えるという循環が起きています。原作者からの要望はこの頃には指示に変わり「脚本家による変更は不可」とまで伝えるようになります。

原作者が脚本家の変更を求めた経緯

この間、いくつか決定的な問題が起きます。ひとつは第3話の脚本で「ハリージ衣装でドラムソロを踊る」となっていた問題です。ベリーダンスの歴史的、文化的背景としてありえない演出なので修正を求めたところ、ドラマ制作側は「すでに撮影を終えている」と虚偽の理由で修正できないと伝えます。

実際はその5日後に撮影が行われ、それが発覚したことでその3日後に撮り直しが行われ手打ちになります。原作者はダンスの混乱の原因は、舞踊を脚本家が勝手に変えたことに起因していると憤慨します。そして、「脚本家は8~10話もう他の人に変えてして欲しいです。さすがにそろそろ限界(原文ママ)」と日テレに伝えます。

その後、第9話の脚本に創作シーンが加えられたことから原作者が脚本家の交代を求め、10月22日に日テレがそれに応じます。これが小学館の報告書から読み取れる原作者に起きた事態のあらましです。

一方で、この問題はドラマの制作現場から見ると違った形に見えます。

この事件、日テレのドラマ制作の現場では何が起きていたのでしょう。日テレの報告書からその状況が読み取れます。

ドラマ制作にあたってはまず原作をもとにドラマ化するためのプロットを作成し、ラリーの後で原作者からOKが出たら脚本作成に進みます。

小学館の報告書では触れられていないのですが、このプロットや脚本を作成するのは脚本家単独ではありません。コアメンバー5名(後半から6名)による合議で決まるのです。

『セクシー田中さん』のコアメンバーが誰なのか報告書では名前は仮名で、所属は不記載になっているのですが、おそらく日テレドラマ班のプロデューサー、アシスタントプロデューサー(AP)、制作会社の演出、助監督、そして脚本家などの陣容でしょうか。

脚本を書きあげるまでの流れ

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