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「誹謗中傷に関する法律」で追加された"規制" 誰もが巻き込まれる時代、覚えておきたい法改正

東洋経済オンライン / 2024年6月9日 12時0分

ネットやSNSが広く普及し、誰もが発信することができる時代。誹謗中傷をしているつもりがなくても加害者になっているかもしれません(写真:kapinon/PIXTA)

ネットの誹謗中傷に関する法律「プロバイダ責任制限法」が、5月17日に改正され、1年以内に適用される見込みです。具体的には、法律名称が、「情報流通プラットフォーム対処法」(略称)と変わり、大規模プラットフォーム事業者に対する新たな規制が追加されることになります。

ネットやSNSが広く普及し、誰もが発信することができる時代。誹謗中傷をしているつもりがなくても加害者になっているかもしれません。ある日突然、被害者となることもあり得ます。この法律の位置付けと、今回の改正により何が変わったのかを解説します。

元々の法律はどういう内容?

元の、プロバイダ責任制限法(以下「プロ責法」といいます)とは、①プロバイダ等の損害賠償責任の制限(第2章)、②発信者情報の開示請求権(第3章)、③発信者情報開示命令事件に関する裁判手続(第4章)について定めた法律です。

上記の①は、プロバイダ等(これは、皆さんがネット利用契約を結んでいる各種プロバイダや、SNSサービス運営者等も含みます)が、投稿者からは「勝手に投稿を消すのは表現の自由の侵害なので損害賠償請求をする!」と主張され、投稿により権利侵害された人からは「権利侵害の投稿を削除しないので損害賠償請求をする!」と主張され得るいわば板挟み状態のため、プロバイダ等がプロ責法で定める要件を満たす対応をした場合には、投稿者や投稿により権利侵害された人に対して民事上の損賠償責任を負わないようにする、というものです。

これは、プロバイダ等だけを保護するためのものではなく、プロバイダ等が取るべき対応を法律で定めることで、プロバイダ等が権利侵害投稿の削除に応じやすくなり、またプロバイダ等による不要な投稿削除を防げるようになる、という意味で、私たちにとっても有益なものといえます。

②は、ネット上で権利侵害の情報が広がった場合に加害者を特定して損害賠償請求等を行うためには、第三者であるプロバイダ等に対して必票な情報の開示を請求することができる権利が必要であるため、その権利を新たに作った、というものです。

③は、発信者情報開示請求権に基づき裁判の審理を簡易迅速に行うことができるようにするため2021年の改正で創設された、新たな裁判手続(非訟手続)です。

今回の改正で何が変わる?

では今回の改正で何が変わるのでしょうか。

ネットの誹謗中傷は、匿名掲示板、SNS等の大規模なプラットフォームを中心に行われています。ネットの誹謗中傷を防止するために、今回の改正で、匿名掲示板、SNS等の大規模プラットフォーム事業者に対する規制が追加されることになりました。

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