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ライドシェア、採用側も驚いた応募者殺到の理由 平均年齢は50代、学生がバイト感覚でも

東洋経済オンライン / 2024年6月9日 9時30分

「目黒区と世田谷区のマッチング率を改善するため、車両を同区からスタートさせるなど工夫しています。ただ、乗務中ほとんどの時間でアプリが鳴りっぱなしのため、その後の移動で戻ってくるわけではなく、難しさもあります。時間帯は金曜日の深夜帯が想定より低く推移しており、朝方がドライバーさんからも利用者さんからも人気が高くなっています」(野底さん)

平均時給は2000円前後

待遇面はどうか。同社のドライバーの給与体系は、時給1400円に加え、ガソリン代などの諸手当が400円つく。ここに時間あたりの売り上げで3000円を超過した分には歩合給が加わる。野底さんによれば、「半数以上は歩合給を達成している」という。

平均時給に換算すると2000円前後という計算になる。この数字については、「二種免許がないほぼ素人の方がやってもこれだけ(数字が)上がるということです」と語気を強めた。

昨年の東京都のタクシー運転手の平均年収推計額は約586万円で、前年より160万円増と大幅な増加となっている。この数字は過去を振り返っても、最高水準のものだ。

ただ、労働環境が改善したとはいえ、タクシードライバーはコロナ前の水準にはまだまだ戻っていない。一方で、ライドシェアには想定以上の応募者が集まった現実もある。その理由について、「職種のイメージが大きい」と野底さんは分析する。

「日本型ライドシェアのドライバーの方からいただく感想でもっとも多いのが、『やってみたら意外とよかった』ということです。タクシー業界は長時間労働、流し営業がキツい、というイメージを持たれがちですが、アプリの普及により、流しや待ち時間がなくて効率的に働ける、という点が大きいと思います。行き先ややり取りもアプリだけで完結するので、心理的なハードルが下がったことが、ライドシェアドライバーの方に刺さっているのではないでしょうか」

学生など若い世代もアルバイト感覚で

鈴木航平さん(28)は、新卒で日本交通に入社後、タクシー乗務員や運行管理などを経て、NRS事業部の立ち上げに関わってきた。現在は採用が主な業務で、ほとんどの応募者の面接に携わっている。いったいどんな層がライドシェアドライバーとして働いているのだろうか。

「弊社の場合、男性9割・女性1割といった感覚です。年齢層は20~60代と幅広く、平均年齢は50代となります。大半は、本業が昼以降に始まる自営業や、時間の余裕がある経営者の方ですね。

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