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日本KFCにTOB、「ケンタッキー」はどう変わる? カーライル傘下でマクドナルドを追随できるか

東洋経済オンライン / 2024年6月10日 10時0分

ケンタッキーはクリスマスに食べるイメージからの脱却を進めている(記者撮影)

国内で「ケンタッキーフライドチキン」を展開する日本KFCホールディングス(日本KFC)。現在、同社に対し、アメリカ投資ファンドのカーライルがTOB(株式公開買い付け)を実施している。カーライルは三菱商事などが保有する日本KFCの株式も取得し、完全子会社化する予定だ。

【図表で見る】意外にもケンタッキー店舗はあまり増えていない?

日本KFCはアメリカでKFCを展開するヤム・ブランズと契約を締結し、日本での直営店運営やフランチャイズ加盟企業へのサブライセンス権の発行を行っている。カーライルによる買収後も事業は継続する。

会社側はカーライル傘下で出店強化やメニューの拡充、デジタル投資などを進めるとしているが、具体的な方策は明らかにしていない。どんな取り組みを進めようとしているのか。

「クリスマス需要」からの脱却も

足元の日本KFCの業績は好調だ。2024年3月期は売上高1106億円(前年比10%増)、営業利益58億円(同61%増)と増収増益だった。原材料高騰の対応で値上げを実施し、採算が向上した。コロナ禍でテイクアウト需要を取り込んだ2021年3月期の営業利益63億円(過去最高)に迫る勢いだ。

近年の日本KFCは、CM等で訴求してきた「クリスマスに食べる」イメージから脱却し、普段使いされるブランドへの転換を目指している。2022年10月にはそれまで「サンド」だった商品名をわかりやすく「バーガー」に変更。既存店売上高はその後18カ月連続で前年同月比を上回り続けた。

そんな中、一段の成長に向けた課題も見えている。

一つが規模拡大だ。店舗数は2024年3月期末で1232店だが、この10年間で77店舗しか増やせていない。また、度重なる値上げの影響で、足元では集客の勢いに陰りも見えつつある。こうした課題に、カーライルとともに挑むことになる。

カーライルはどのようにKFCを変革させていくのか。日本国内でさまざまな企業に投資してきた同社だが、外食企業で参考になるのは、居酒屋チェーン「はなの舞」「さかなや道場」などを運営するチムニーだろう。

チムニーは2009年にカーライルの支援を受け、経営陣による買収(MBO)を実施した。その後、人材育成や新規事業の立ち上げが十分に進展したとして2012年に再上場している。

「カーライルとのMBOはよいものだった」。チムニーのある幹部は当時を振り返る。MBO後、カーライル側は取締役会などに出席するものの、経営に頻繁に口をはさむことはなかった。

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