サイバー、絞られた「ポスト藤田」候補たちの実力 社長退任まで2年、後継者の選定作業はヤマ場に
東洋経済オンライン / 2024年6月10日 7時50分
山内専務を周囲が有力視する理由は、これらの実績や人柄以上に、藤田氏との厚い信頼関係にある。「山内専務は藤田さんへの忠誠心が高く、藤田さんもとくに山内専務をかわいがっている印象だ」(サイバーエージェントの元幹部B)。ちなみに山内専務と藤田氏は、ヒップホップという共通の趣味も持つ。
肝煎り事業のABEMAでは2023年からCOO(最高執行責任者)を任され、今年から本格的に動き出すIP特命部隊の舵取りも山内専務に託された。A氏は「山内体制に向けて、すでに実質的な移行時期に入っているのでは」と勘繰る。
最大の対抗馬は異色の若手ホープ
同じ40代でも、山内専務と対照的なキャラクターの候補者が内藤貴仁常務(46)だ。広告部門において、広告代理の事業部と双璧をなすAI事業本部のトップを務め、AIを用いた広告ソリューションの展開や、約90人のAI研究者が集うラボのマネジメントを担う。
人当たりのよい印象からは想起しにくいが、実は自他ともに認める「とがった人材」の内藤常務。藤田氏との指揮系統を重視する山内専務とは対照的に、勝手に案件を進めていくタイプだ。しばしば藤田氏から「内藤がやってること、よく新聞で見るよ」と言われるそうだが、当の内藤常務は「あ、そうですか。ありがとうございます」と意にも介さない。
ある社員は「広告ビジネスを人手からAIにシフトし、省力化しないといけないという危機感から、早い段階でAIラボを立ち上げた。彼の先見の明が、現在の競争優位性につながっている」と評価する。同時に、元社員からは「内藤さんと若手社員で会食した際に、『俺がいなかったら今のサイバーはなかった』と豪語していた」という逸話も聞かれる。
担当領域や実績、肩書を見れば、内藤常務も新たなトップの有力候補者に映る。だが、次期社長には会長CEOに就く藤田氏との伴走力が問われるだけに、そのポジションにははまりにくいとの見方が大多数だ。
後継者レースを藤田氏の愛する競馬になぞらえて、本命馬を山内専務とするなら、最大の対抗馬と目されるのが、1990年生まれの飯塚勇太専務(34)だ。
飯塚氏は、サイバーエージェントの一内定者にすぎなかった学生時代、開発したスマホアプリが藤田氏の目に留まり、勧められるがまま入社前に子会社・シロクを起業。入社後も主要部門を経ず、24歳で執行役員に抜擢された異色の人材である。
代表的な成果が、2017年にシロクで立ち上げたコスメブランド「N organic」。ECからリアル店舗にも進出し、四半期ベースで数億円の利益貢献をするまでに成長させた。
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