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中国BYD、初の「ピックアップトラック」を海外発表 まずメキシコに投入、ブラジルで現地生産も

東洋経済オンライン / 2024年6月11日 20時0分

BYDは初のピックアップトラック「シャーク」を、メキシコに続いて全世界に投入していく計画だ(写真は同社ウェブサイトより)

中国のEV(電気自動車)最大手の比亜迪(BYD)は5月14日、同社が開発した初のピックアップトラック「シャーク」をメキシコで発表した。

【写真】ブラジルのBYDの販売店(同社ウェブサイトより)

BYDが新型車を(中国に先んじて)海外でお披露目するのは、これが初めてだ。同社によれば、シャークは世界各地の需要に応じて、メキシコ以外の市場にも順次投入される。

シャークはエンジンと電気モーターの両方を搭載したPHV(プラグインハイブリッド車)で、メーカー希望価格は96万9800メキシコペソ(約899万円)から。ガソリンタンクと車載電池を満タンにした場合の航続距離は最大840キロメートルに達し、電池だけでも約100キロメートル走行できる。

燃費と動力性能を両立

BYDの説明によれば、シャークの車体は同クラスのピックアップトラックのなかで最大級だが、燃費は100キロメートル当たり7.5リットル(1リットル当たり約13.3キロメートル)とエンジン車より約4割も優秀だ。

さらに動力性能でも、(エンジンとモーターを合わせた)最高出力や停止時から時速100キロメートルまでの加速時間などで、同クラスのエンジン車のピックアップトラックを凌駕するという。

中南米地域の自動車市場において、メキシコはブラジルに次ぐ第2位の市場規模を持つ。BYDはメキシコに2023年3月に進出し、3車種のEVを発売。同年12月には首都メキシコシティの公共交通部門に電動バスを納入するなど、市場開拓を積極的に進めている。

ロイター通信の2024年2月の報道によれば、BYDはメキシコに工場を建設することも検討している。中南米においては、同社はすでにブラジルで工場を建設中で、2024年後半から現地生産を開始する予定だ。

今回発表したシャークは、当初は中国で生産してメキシコに輸出する。将来はブラジル工場でシャークを現地生産する可能性について、BYDは「ブラジルおよび中南米地域での売れ行きを見て判断する」とコメントした。

海外事業の伸びが国内抜く

BYDはここ数年、海外市場への輸出を急速に伸ばしてきた。それでも2022年の時点では、同社の海外売上高の伸び率は前年比43.1%と、国内売上高の同118.5%に及んでいなかった。

ところが2023年になると、海外売上高の伸び率は前年比75.2%と、国内の同32.9%を一気に抜いた。これは海外市場での勢いが加速したのと同時に、中国市場で(BYD以外のメーカーを含めて)EV販売の伸びが鈍化したためだ。

中国汽車工業協会のデータによれば、2024年1~3月期にBYDが輸出したEVとPHVは合計約9万9000台と、前年同期の2.3倍に増加した。同じ期間に中国から輸出されたEVとPHVは全メーカーの合計で約30万7000台であり、BYDは1社でその3分の1近くを占めたことになる。

(財新記者:翟少輝)
※原文の配信は5月17日

財新 Biz&Tech

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