「部下がぐんぐん成長する上司」がしている質問 能力を最大限に引き出す「気づき」の力
東洋経済オンライン / 2024年6月12日 14時0分
ひらめきはこれまで見落としていた物事や自分の周りで起きていることがヒントとなり、多角的な質問によって育まれる。したがってリーダーに必要なことは、気づき、やる気、創造性を引き出す質問を見つけることにある。
とはいえ、部下に質問を投げかければすぐに完璧な答えが返ってくるわけではない。部下の頭の奥底にはアイデアのヒントがあるものの、的確に表現できないことが多い。そのため、リーダーには部下の潜在力を開花させる投げかけが必要なのだ。
Goal(目標)、Reality(現状)、Resource(資源)、Options(選択肢)、Will(意志)の頭文字を並べたGROWモデルは、このステップで質問を進めることにより、目標達成につながる具体的なプロセスにつなげることが可能となる。
ステップ1 【G】 Goal(目標を明確にする)
ステップ1目標を実行レベルに落とし込み、明確にすることだ。目標とは実体を伴った夢である(1)。より具体的で鮮明にイメージできるようにならなければ行動に移すことはできない(2)。そのためリーダーは、具体的、かつ肯定的で実現可能なプロセスを検討できるよう部下に促すことがポイントとなる。
例えば、売り上げ目標はただの数字だ。そのため、数字を表明しただけでは行動に移せない。数字が出来上がるプロセスが具体化できて初めて現実味を帯びるのだ。いかに具体的な目標を設計できるのかがカギになる。
【質問例】
・具体的に何を達成したいと思いますか?
・どのような状態になると目標達成したと判断できますか?
進める前に「現在地」を明らかにする
ステップ2 【R】 Reality(現状・現実の把握)
ステップ2では現状・現実を具体的に理解するため、どこまでできていて、何ができていないのか、現在地を明らかにする必要がある。リーダーは部下が客観的に現実(状況や環境)を探り出せるような質問を心がけよう。
【質問例】
・何ができていて、何ができていないのか、現状を具体的に教えてください。
・何が障害になっていますか?
ステップ3 【R】 Resources(経営資源を発見する)
ステップ3は、現実的に使えるリソースを複数発想してもらうため、リソースに気づかせるための質問をする。リソースは人材や資金、時間、ネットワークや専門性、方法などさまざまである。リーダーは問題解決のためのリソースは何か? 部下自身は何を持ち合わせているのか? 他の人が持つリソースは使えないか?どこに行けばそれが揃うのかなど、部下の考えが偏らないように幅を広げる投げかけをしよう。
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