1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. ライフ

中国EV「小鵬汽車」、VWへの技術供与が収益源に 1~3月期にソフトウェア関連などの売上倍増

東洋経済オンライン / 2024年6月13日 15時30分

小鵬汽車にとって資本提携先のVWへの技術供与が儲かるビジネスになりはじめた。写真は広東省肇慶市にある同社の研究開発拠点(小鵬汽車のウェブサイトより)

中国の新興EV(電気自動車)メーカーの小鵬汽車(シャオペン)が、新たな収益源を手に入れた。資本提携先のドイツ自動車大手、フォルクスワーゲン(VW)グループに対する技術供与が生み出す利益のことだ。

【写真】VWの中国事業を率いるラルフ・ブランドシュテッター氏(VW中国法人のウェブサイトより)

同社が5月21日に発表した2024年1~3月期決算では、損益計算書の「サービスおよびその他事業」の項目に、前年同期の2倍弱に当たる10億元(約218億円)が計上された。その中には、VWに供与したプラットフォーム(車台)関連やソフトウェア関連の技術の対価が含まれている。

「この(資本提携を機にスタートした)ビジネスは利益率が高い」。小鵬汽車の副総裁(副社長に相当)を務める張暁楓氏は、決算説明会でそう率直に述べた。

赤字額が約4割縮小

小鵬汽車の1~3月期の総売上高は65億5000万元(約1426億円)と、前年同期比62.3%増加した。一方、純損益は13億7000万元(約298億円)の赤字だったものの、損失額が前年同期より約4割縮小した。

中国のEV市場で価格競争が激化するなか、小鵬汽車が赤字を大幅に減らすことができたのは、VWからの収入の貢献が小さくないと見られる。決算報告書によれば、1~3月期は本業の「自動車販売事業」の粗利率が5.5%だったのに対し、サービスおよびその他事業の粗利率は53.9%に上った。

その結果、1~3月期の事業全体の粗利率は12.9%と、前年同期比で11.2ポイント、直前の2023年10~12月期比で6.7ポイント上昇した。同社の説明によれば、本業の収益性改善と(VWへの)技術供与の継続を通じて、今後も11~16%の粗利率を維持できる見通しだという。

小鵬汽車とVWは、2023年7月に資本提携を発表。VWが小鵬汽車に出資(訳注:出資比率は約5%)するとともに、小鵬汽車のEVをベースに2つの新型車を共同開発し、VWブランドで販売することに合意した。

両社は2024年2月、プラットフォームやソフトウェアの共同開発、部材の共同購買などにも協業を拡大。4月には、自動車の機能全体を電気的・電子的に制御する「E/Eアーキテクチャー」の共同開発にまで踏み込んだ。

VW以外との提携も模索

こうした関係強化を通じて、小鵬汽車は独自に育んできたEV関連技術の価値に自信を深めているようだ。副総裁の張氏は決算説明会で次のように発言した。

「VWとの協業は排他的なものではない。わが社はオープンな姿勢を維持し、他社との戦略提携の機会も探っていく」

なお、小鵬汽車が立ち上げ準備を進めているサブブランド「MONA(モナ)」について、同社の創業者で董事長(会長に相当)を務める何小鵬氏は「6月に第1号モデルをお披露目し、7~9月期に発売する」と明らかにした。

MONAの前身は、ネット配車サービス大手の滴滴出行(ディディ)のスマートEV開発部門だ。小鵬汽車は2023年8月、同部門を58億香港ドル(約1161億円)で買収した。第1号モデルは、そこで開発された小型車になる予定だ。

(財新記者:翟少輝)
※原文の配信は5月22日

財新 Biz&Tech

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください