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ミセスのMV炎上「コロンブス」が犯した恐ろしい罪 YouTubeは公開後に批判のコメントが相次いだ

東洋経済オンライン / 2024年6月13日 19時30分

コロンブスたちは、島に住んでいた先住民たちが大人しくて温和なのをいいことに、好き勝手に振る舞う。出会ってすぐに物々交換を始めたのだが、相手からは綿や食料などを得ておきながら、自分たちが渡したのはガラクタばかりだった。

物々交換はエスカレートしていき、しまいには、「ヒモ1本を金と交換した」という不届き者も現れる。

二束三文のガラクタに喜ぶ先住民に、コロンブスはこんな感想をもらしている。

「彼らは非常に喜び、まったく素晴らしいほど我々になついてしまったのであります」

行動がエスカレートしたコロンブス

物だけではない。コロンブスは、ガイドとして先住民たちを無理矢理連れ去って、小さな島々を案内させては、島に勝手に名前をつけていった。

強引な行動に出られたのは、彼らが武器を持っていなかったからだ。コロンブスが剣を見せると、先住民たちは驚きの反応を見せた。

「彼らは武器を持っていませんし、それがどんな物かも知りません。私が彼らに剣を見せましたところ、刃のほうを持って、知らないがために手を切ってしまったのです」

先住民たちが抵抗する武器を持たないと知ると、コロンブスの彼らを見る目は、完全に奴隷を見定めるものになっていく。日記には、体型に関する記述が目立つ。

「彼らは皆そろって背丈が高く、顔つきもよく、よい姿をしているのであります」

もちろん、先住民たちも、やがてコロンブスたちの行動に疑いを持ち、抵抗するようになる。すると、コロンブス率いるスペイン軍は、先住民たちを虐殺し、非人道的な弾圧と強奪を繰り返した。

コロンブスの一行は、香辛料、ジャガイモ、そして、タバコを持ち帰った。コロンブスは、新大陸ではじめて出会ったタバコについて、航海日誌に次のように書いている。

「一方の端に火をつけ、もう一方の端をちょっと吸ったり深く吸い込んだりして、息とともに煙を体内に入れている。この煙で体が鎮まり、ほとんど酔ったようになる。だから彼らは疲れというものをしらない」

病気も持ち帰ってしまった

そうして喫煙の習慣をヨーロッパに持ち込んだだけではなく、梅毒という病気も持ち帰ってしまった。港で彼らを診察した医師はこう言ったという。

「神の御心によって、これまで知られていなかった新しい病気が私たちのもとへもたらされた」

その後、この病気は爆発的に流行し、世界へと広がっていく。コロンブスとその一行たちによる、ざんねんな行動が原因といえるかもしれない。

【参考文献】
クリストーバル・コロン著、林屋永吉訳『コロンブス航海誌』(岩波文庫)
コロンブス著、林屋永吉訳『コロンブス 全航海の報告』 (岩波文庫)
真山知幸『ざんねんな偉人伝』(学研)

真山 知幸:著述家

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