1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 経済
  4. 経済

ジム・ロジャーズ「これからも円安は止まらない」 渡邉美樹氏「昔の1ドル=360円時代に戻る」

東洋経済オンライン / 2024年6月14日 9時0分

ロジャーズ氏は、歴史的に異常な低金利を継続させているのは日本のファンダメンタルズ(基礎的条件)が非常に悪いからで、円高になる要因は今のところほとんど見当たらないと言います。

一時的には円高になる可能性がないわけではありません。しかし、例えば11月5日に行われるアメリカの大統領選挙で何らかのサプライズが起きて、新たに就任する大統領がドル安を引き起こすような政策でも取らない限り、難しいと言います。しかも、もしあってもそれはあくまで一時的な反動であって、日本や世界経済を根本的によくするわけではないと言います。

このままだと「1ドル=360円」まで円安が進む?

ワタミの渡邉美樹氏も、為替レートについては次のような意見を述べています。「日本でバブルが崩壊して以降の約30年で、日銀がお金を印刷した量をアメリカと比較すると、日本は実質的に6倍になっています。当時の為替相場は1ドル=100円程度でしたから、ほかの要因をすべて除いて極端な話をすれば、今は『1ドル=600円になってもおかしくはない』。

渡邉氏は続けます。「日本は約30年前にバブルが崩壊して、そこから経済成長をしなくなったのですが、それでもお金の使い方を変えませんでした。日本は戦後ずっと同じようなお金の使い方をしてきたのです。それどころか少子高齢化が進んだため、それを解決するために、より多くのお金を印刷してきました。政治家は特別に『たくさんのお金を刷ろう』と考えたわけではありません。経済成長していないにもかかわらず、何も考えずに今までと同じサービスを続けてきた結果、お金の量が莫大になってしまったのです。それが今の日本の実態です」。

「そう考えると、円安は少なくとも以前の1ドル=360円まで戻るだろうというのが私の考え方です。円安にはメリットとデメリットがありますが、基本的に通貨の強さは国力そのものですから、日本にとっては円高が必要だと思います」

ロジャーズ氏もこの6倍という数字は非常に重要で、日本人だけではなく、世界の多くの人が知るべきだと強調します。

日本銀行は4月にマイナス金利の解除に踏み切りましたが、仮に世界の標準的な金利が3%前後だとしたら、日本では今もなお歴史的に異常な低金利政策が続いています。ロジャーズ氏は、少子化と増大し続ける債務問題という問題の根っこを解決させないまま先送りし続けていると、いずれ市場が主導権を取り、制裁を与えると言います。

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

複数ページをまたぐ記事です

記事の最終ページでミッション達成してください