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「niko and ...」カフェ事業が"実は絶好調"のワケ 細やかなサービスで差別化、アパレルへの好影響も

東洋経済オンライン / 2024年6月14日 11時40分

「複数人でいらっしゃるお客様から、シェアしたいという要望があり、導入しました。もともとある店舗のスタッフが行っていたことを、全店舗に広げたんです。

スタッフに負担になりすぎないようにもしないといけないので、その辺りはせめぎ合いですね(笑)。いずれにせよ、他社さんから見ればかなり非効率なことをしているのは間違いないですね」(増田氏)

内装にもこだわる&本業とのシナジーも

メニューの一方で、内装にもこだわっている。

例えば、二子玉川ライズ店。若いファミリー層、子連れ客が多いことを反映し、内装を他の店舗とは変えている。

「緑を多く取り入れたり、席は1人掛けのテーブルを多めにしました。当初は、増加するオフィスワーカー向けに、1人でパソコンや読書ができるように作ったのですが、結果的にはベビーカーを使う方に多くご利用いただいているようです。

二子玉川は子連れの方が多いのですが、お父さんやお母さんが、お子さんの顔を見られる向きにベビーカーを置いて、テーブルはサイドテーブル的に使ってコーヒーを置く。そういうシーンが想定以上にあって、実際にお客様からも利用しやすいという声をいただいています」(増田氏)

今でこそ、ニコアンドコーヒーの中でもトップクラスの忙しさを誇るという同店舗だが、もともとはショップのみの店舗だった。しかし、「カフェが周辺に少ない」などの理由から、商業施設側から熱烈な誘致を受け、カフェ併設店舗となったそうだ。

こうした効果もあり、同店舗の売り上げは、2倍以上になった。店舗自体が広くなったこともあるが、確実にカフェとアパレル・雑貨店舗の相互作用が生まれている。

カフェ併設による収益の増加は、二子玉川ライズ店以外でも同様。家族での来店時、母親が洋服を選ぶ間に、他の家族がコーヒーを飲んで待つ場面もある。また、アパレルだけだと、店舗に人が来ない時間帯もある。しかし、カフェがあれば、売り場には全時間的に客が来る。そこに来た人が、ついついアパレルや雑貨も見て、それらを買う……なんてこともあるわけだ。

地域の色に馴染む店舗

また、ニコアンドコーヒーの強みは、場所ごとに、地域の色に染まる店舗が生まれていることにもある。

通常、チェーン店の出店では「ドミナント戦略」を取ることが多い。特定のエリアに集中出店し、コストを下げることなどを通じて、その地域での競争優位性を獲得する戦略だ。日本のカフェチェーンでは、スターバックスが日本上陸期に、首都圏に集中出店し、ブランディングにもつなげたことで知られている。

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