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しまむらAIモデル「瑠菜」魅力を感じさせる特徴 平均顔に絶妙なアレンジが加えられている

東洋経済オンライン / 2024年6月14日 12時20分

魅力的な顔の基準を満たすAIモデル「瑠菜」の特徴

このアレンジもなかなか工夫されています。

27枚中、すべて唇と涙袋が強調されています。大部分が笑顔を見せ、半分以上が顔の左側をカメラに向けています。

唇を大きくすることで女性性が強調され、涙袋を大きくすることで目が大きく見え、可愛らしさが高まります。これらに加え、顔の上半分より下半分を小さくすることで、幼児のような顔を作ることができ、より可愛らしさを演出できます。

また、笑顔は好印象・親近感を醸成します。顔の左側をこちらに向けることで、表情と顔の凹凸が引き立ち、魅力度が向上します。

以上、「個人の好み」という個人差は残るものの、美しい顔の平均顔という特性にアレンジが加わることによって、私たちは、実在の美人よりも生成AIで作られた「瑠菜」をポジティブに評価する可能性が十分にあり得ます。

一方で、生成AIモデルをネガティブに評価するのはなぜでしょうか。「瑠菜」の場合は、最初から彼女がAIだということがわかったうえでの評価ですが、「実在する人間だと思っていたら、AIだと知り、がっかりした」という経験はないでしょうか。

これは、私たちが実在の人物に対して、自然にその人が持つ背景や物語、感情を想像するからではないでしょうか。しかし、AIであるとわかった瞬間、その背後にある物語や感情が存在しないことがわかり、信頼感や現実感は失われ、「同じ身体と心を持っていないのだ」「共感し合うことはできないのだ」、そんなふうに思われてくるのでは、と考えます。

私たちは、AIモデルが目の前にいても、友人とヒソヒソ話が平気でできますし、デジタルサイネージのAIモデルに「おはようございます」と声をかけられても、応答責任を感じないでしょう。

AIによる創造物にはデメリットも

AIモデルと実在のモデルを比べた研究ではありませんが、アナロジーとなるのが、AIによる創造物と人間による創造物の比較研究です。概ね、私たちはAIによる創造物にネガティブなバイアスを抱くようです。

例えば、Bellaicheら(2023)は、AIで生成した30枚の絵を用意し、このことを実験参加者に知らせずに、「AIで生成された絵」あるいは、「人間が描いた絵」に判断・評価してもらう実験をしました。

実験の結果、「人間が描いた絵」に比べ、「AIで生成された絵」と判断した絵を、ネガティブに評価する傾向にあることがわかりました。さらに、「人間が描いた絵」と判断した絵を、深遠で意味深く、価値がある、と評価する傾向もわかりました。

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