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何km走り続けるのか「長距離無停車」特急トップ5 新幹線・JR在来線・私鉄有料特急、意外な列車も

東洋経済オンライン / 2024年6月15日 6時30分

現在の昼行在来線特急で最も無停車区間が長いのは、常磐線の特急「ひたち」上野―水戸間124.7km。ひたちはこの区間を基本的にノンストップで走り、所要時間は1時間5~16分程度だ。同線には近距離特急として「ときわ」があり、こまめに停車する役割はこちらに任せているといえる。

ひたちに次ぐのは根室本線の特急「おおぞら」だ。一部の列車は池田―釧路間104.1kmを無停車で走るほか、南千歳―トマム間98.6kmがノンストップの列車もある。中央本線特急「あずさ」も意外に長く、多くの列車は八王子―甲府間を無停車で運行する。もっとも、距離は86.7km、所要時間も57分前後だ。無停車区間が100kmを超える特急は、現在の在来線には少ない。

一方で、JR特急よりも運行区間が短いイメージのある私鉄特急は意外に健闘している。とくに近鉄はJR昼行特急以上の長距離無停車特急を運行している。大阪難波と賢島を結ぶ「伊勢志摩ライナー」には、鶴橋―伊勢市間無停車の列車がある。この間135.5km、約1時間30分だ。

近鉄にはかつて、さらに長い名阪間ノンストップの特急があった。鶴橋―近鉄名古屋間の186.6kmを無停車で運行するものだ。その後継である「ひのとり」は三重県の県庁所在地である津に停車するが、鶴橋―津間も120.1kmと長い。所要時間は1時間17分程度である。

また、伊勢志摩への観光特急「しまかぜ」は、京都・大阪難波発着便の大和八木―伊勢市間101.8km、名古屋発着便の近鉄四日市―伊勢市間70.0kmが無停車である。

近鉄以外を見てみると、小田急の土休日下り「スーパーはこね」が新宿―小田原間82.5kmノンストップである。所要時間は1時間。ただし上りの「スーパーはこね」はない。関東で長距離の特急が走る私鉄といえば東武鉄道もあるが、無停車区間は日光・鬼怒川温泉方面行きで春日部―栃木間50.6km、館林・太田方面では久喜―館林間26.9kmと、意外にも短い。

昔の列車はどうだった?

では、かつての特急はどうだったのだろうか。

1964年10月に東海道新幹線が開業した際、「こだま」は各駅停車、「ひかり」は東京・名古屋・京都・新大阪のみ停車だった。ひかりは東京から名古屋まで366.0km、2時間29分ノンストップで、今よりも長距離・長時間停車しない列車だった。

当時の在来線では、特急「はつかり」の速達重視の姿勢が目立つ。上野を出ると、停車駅は水戸、平(現・いわき)、仙台、盛岡、尻内(現・八戸)、青森だ。上野発は13時30分、青森着は23時55分。ここで青函連絡船に乗り継ぐと函館で特急「おおぞら」に接続し、東室蘭、登別(時期により通過)、苫小牧のみ停車し、9時25分に札幌に着く。当時の「はつかり」は区間輸送よりもひたすらに北海道をめざす列車だということを時刻表が示している。

一方で、この頃の寝台特急は深夜でも主要駅に停車し、夜行急行は小さな駅にも停車し、寝静まっている夜間は停車しない(客扱いをしない)ということはなかった。この流れを変えたのは1970年7月に奥羽本線方面の寝台特急「あけぼの」が新設された際で、深夜の停車駅は客扱いをしない「運転停車」とした。これにより「時刻表上の長距離ノンストップ列車」が生まれることになった。

一方で昼行列車については急行の削減と特急化が進み、今では特急といってもかつての急行と同じくらい停車駅が多い列車も珍しくない。新幹線網の拡大で在来線は速達性から近距離の利便性を重視したダイヤに変化してきたとともに、列車の高速化によって停車駅を増やしても一定の速達性を保てるようになったとも考えられるだろう。

小林 拓矢:フリーライター

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