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飯田商店が「デニーズの担々麺」を監修する背景 清湯系のラーメンで有名な店が、一体なぜ?

東洋経済オンライン / 2024年6月19日 13時0分

……という話は、過去の取材で筆者も聞いていたのだが、なるほど、それ以前にデニーズでのバイト経験があったとは知らなかった。

一方、デニーズで担々麺の提供を開始したのは1988年。一時提供を休止していた時期はあったが、2016年からはレギュラーメニューとして定着している。

デニーズを運営する、セブン&アイ・フードシステムズの取締役執行役員・北田玄さんは次のように語る。

「担々麺は発売当時から人気で、ずっとレギュラー化するべきだろうと言われてきたメニューでした。そもそもラーメンをファミリーレストランで初めて提供したのがデニーズで、担々麺はその中でも人気を引っ張ってきた商品です。

その中で、飯田さんの美味しいという一言も非常に大きく、今でもトップ10には必ず入ってくる商品です」(北田さん)

セブン-イレブン「冷凍ラーメン」でも登場

そして、今年春にはコンビニのセブン-イレブンの冷凍ラーメンとしてもデニーズの担々麺が登場。デニーズは首都圏中心の出店なので、「デニーズのないエリアでも食べられるように」とコンビニコラボ商品をスタートした。

担々麺は、セブン-イレブンから見ても評価の高いメニューだったという。

「ファミリーレストランで提供する場合、店舗のオペレーションを着地点に味を構築していかなければなりません。お店でやれることを現実的に落とし込みながら味づくりをしていくんです。デニーズでのアルバイト経験が生きて、そのあたりはある程度わかったうえで商品開発をしていきました。

一方で、デニーズさんができるだけ私のオーダーに応えてくれたのは大きかったです。スープから動物系を抜くというのはある意味勝負だと思いますし、ここにかけてくれたのはありがたかったです」(飯田商店・飯田店主)

このメニュー専用の食材をふんだんに使用し、スパイス感とナッツの食感をとにかく大事にした。通常の担々麺とは比べ物にならないぐらいの種類の食材が使われているという。口内での仕掛けにこだわり、口の中でナッツが暴れる感じにとことんこだわった。

店主のこだわりをファミレスでどのように再現するか

有名シェフのコラボメニューをスタートさせたことで、デニーズには新たな客層が訪れている。それなりに高価格帯の商品にはなるが、高いという声は出ていない。

「なかなかお店まで食べに行けないという人のために、まずはデニーズで食べていただいてから実際にお店に行ってみたいと思わせたいと思っています。

店主のこだわりをどこまで再現できるのかがポイントになってきます。そして、それをどうオペレーションに落としていくのかというところです。

このシェフ監修メニューを登場させたことによって、お店の調理のレベルも上がってきています。シェフの想いに応えようという気持ちがお店にも伝わっているんだと思います」(北田さん)

通常の担々麺を食べただけで、デニーズの本気度がシェフにも伝わるのだろう。

デニーズの担々麺は、日本中の担々麺を徹底的に分析して分類を行い、デニーズの担々麺の立ち位置を明確にしたうえで作り上げられた一杯。しかも、それをファミリーレストランのオペレーションで対応できるように仕上げていったのである。

たかがファミレスと侮るなかれ。まだまだデニーズの進化は続く。

その他の画像(飯田商店のメニューなど)はこちら

井手隊長:ラーメンライター/ミュージシャン

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