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ホンダ系部品会社に「リストラの嵐」が吹く根因 ホンダの生産台数は最盛期の6割、中国系開拓へ

東洋経済オンライン / 2024年6月20日 8時30分

ただ、青山真二副社長は「(中国での)余剰な生産能力について合弁パートナーと十分な協議を重ねているところだ。今期の予算では(適正化の)関連費用を見込んでいる」と、さらなるリストラを検討していることを明かす。

ホンダによると、中国事業の年間生産能力は広汽ホンダで77万台、東風ホンダで72万台の計149万台。今期は両拠点で年産12万台のEV新工場を新設するため、さらに173万台まで膨れ上がる。

一方で、2024年度の販売計画は前期比16%減、2020年度からは35%減となる106万台を掲げている。現状では台数増の見通しは立っていない状況で、本格的な生産体制の最適化が必要な状況だ。当然、系列部品メーカーも対応を求められることになる。

「どこまでホンダの計画が落ちていくのか。年産90万台でも利益が出るような体質に作りかえないと中国で食っていけなくなる」。あるホンダ系部品メーカーの首脳は憤りながら話す。

足下で部品メーカーは動き出している。売上高に占めるホンダ向けの割合が9割以上を占める自動車シート大手のテイ・エステックは、中国拠点での設備自動化への投資に加え、雇用形態見直しや業務統合による要員の最適化に着手した。

足回り部品が主力のエフテックは中国2工場での部門統合による人員の集約や部品の内製化を通じてコストの抑制を図る。エイチワンは溶接ラインを統廃合し固定費を引き下げる。

加えて各社が進めているのが“脱ホンダ”の動きだ。

中国勢への売り込みを強化

減速ユニットなどのギア部品が主力の武蔵精密工業は、中国BYDのEV(電気自動車)・PHV(プラグインハイブリッド車)向けにサスペンションボールジョイントを受注した。武蔵精密では、ここ数年でBYDの複数モデル向けの部品受注に成功。それ以外にも複数の中国EVメーカーへの拡販が進んでいる。

大塚浩史社長は「中国市場で伸びているのは現地の民族系。ここを取っていかないとじり貧になる。コモディティ化した誰でもできる部品ではなく、品質や価値の高い部品を狙っていく」と意気込む。同社の2023年度中国事業は売上高が前期比5%増の338億円、営業利益が同6%増の9億円となった。

J-MAXは中国の車載電池大手CATLと電池関連部品の取引を拡大している。全社売上高が500億円規模の中、約60億円を投じて福建省に新工場を建設。これらを通じてCATL向け売上を4年後に4倍の80億円まで引き上げるという。エイチワンやテイ・エステックなども現地の中国EVメーカーへの拡販を進めており、ホンダの低迷した売上を現地開拓で埋めようと模索する。

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