なぜ「SNSでの画像無断使用」が問題視されるのか リアルで接点がない相手と会ってしまう理由
東洋経済オンライン / 2024年6月20日 13時30分
旭川市の神居大橋で17歳の女子高生が殺害される事件が起きた。殺人の疑いで逮捕された内田梨瑚容疑者(21歳)たちに突き落とされ、溺死したとされる。報道によれば、トラブルのもととなったのがSNSの写真の無断使用であり、加害者と被害者にはそれまで接点がなかったと見られている。事件の背景にあるとされるSNSの使い方の問題について解説する。
「SNSの画像転載」が理由の殺人事件
「なぜ自分の画像をSNSに使われただけで殺人事件が起きる? さすがにそれで殺さないでしょう。しかもそれまで会ったことがなかったのにどうして」。この事件を耳にしたある40代男性は、こんな疑問を口にして混乱した様子だった。
SNSに使われたとされる写真は、まだ特定できていない。しかし、一般的に「他人の写真を勝手にSNSに転載する」のは嫌がられる行為だ。筆者は大学講座の100〜200名以上の受講生を対象に毎年アンケートを取っているが、「気にしない」という人は1、2名程度で、残りの人たちは「絶対に嫌」「許せない」と回答している。
どのような写真でも、知らない人に対して無断で転載されること、気に入らない写真が使われることを嫌がる人が多い。自分のプライバシーが侵されたとか、辱められたと感じるからだ。自分の情報は自分自身でコントロールしておきたいと思うものなのだ。
なお、他人の画像などの無断転載は嫌がられる傾向にある一方、Instagramでもリポストはできるし、TikTokなどには他人の動画をダウンロードして再投稿できる機能がある。
内田容疑者は被害者について、「やり取りしているときの言葉遣いが気に入らなかった。呼び出して謝罪を求めたが、失礼な態度だった」という趣旨の供述をしていると報じているところもある。
内田容疑者のものと見られるInstagramは非公開だ。この年代のユーザーの多くが、InstagramをメインSNSとしており、鍵をかけて特定の友人のみに公開していることを考えると、特に不思議ではない。
一方、TikTokの動画は全体公開だが、すべて美肌加工などしっかりと加工されている。理想的な顔に加工した動画であり、だからこそ全体公開にしていたと考えられる。
あくまでも推測だが、被害者が使用した写真は加工などしておらず、いわゆる“盛れて”いなかった可能性がある。一般論として、若者同士の場合、半目だったり油断した顔をしていたりなど、盛れていない写真を勝手に使われることでトラブルになることは少なくない。
個人を特定され逃げられず?
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