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CDベイビー創業者が直伝「人が感動する瞬間」とは やたらとデカい話をしがちな起業家の盲点

東洋経済オンライン / 2024年6月21日 11時0分

「あなたのCDにお好きな値段をつけてください。こちらはCD1枚売れるたびに、4ドルを頂戴します。売上げ代金は毎週お支払いします」

それから新しいアルバム1枚をうちのシステムに取り込むのに、大体45分かかったことをはっきりと覚えてるよ。

アルバムジャケットをスキャナーで取り込んだり、フォトショップで加工して体裁を整えたり、販売を希望するミュージシャンから送られてきた経歴書のスペルミスを訂正したり、そんなことにかかりきりになってたんだ。

その頃の僕にとって、45分っていう時間は、時給にして25ドルの価値はあると考えた。そう聞けば、当時僕が自分の時間をどれくらい価値があるものと思っていたか、わかるだろう?

それで僕はこのシステムを利用する費用として、契約時に25ドル請求しようとしたんだけど、う~ん、何て言えばいいかな……僕の中では、コストという点で、25ドルでも35ドルでもそう差がないと感じていたんだよね。

10ドルは違うし、50ドルも違う。でも、25ドルと35ドルは僕の中では同じ位置を占めていたんだ。それで、料金を35ドルに設定したんだよ。

そうすれば、相手が望んだときには、値引きに応じてあげられるからね。

契約の希望者が電話の向こうでオロオロしてたら、こう言ってあげるんだ。

「こうしないか? 値引きしてあげるよ」

つまり、値引きに応じてあげられるように、ちょっとしたバッファーを設けて設定したってわけ。みんな当然大喜びさ。

それから10年間でこのビジネスがどうなったのかは、知ってのとおりだよ。これが僕が手がけたビジネスモデルの全容さ。

地元のレコードショップまで歩いていって、「何してるの?」って尋ねた5分間で、すべては始まったんだ。

(ティムから)デレクがCDベイビーに費やす時間はわずかで、彼は自分なしでも会社がきちんと回るように、すべてをシステム化した。

デレクは成功者であり、充実した人生を送っている。

現状にチャレンジすることをいとわず、疑問に思ったことは何でも試してみる、といった彼の姿勢が大きく影響していると思う。

それほど多くのものは必要としない。この後紹介するメールは、そんなデレクの生きざまを見事に表している。

事業を始めるということは…

デレク:事業を始めるということは、あなたの手によって小さな世界を生み出し、その中の行動規範をあなた自身がコントロールできるということだ。

よそがどうしているかは関係ない。あなたの小さな世界の中では、あなたが思うように創り上げればいいんだから。

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