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スバル「水平対向エンジン」継続を明言した意味 EVと並行してカーボンニュートラル燃料対応へ

東洋経済オンライン / 2024年6月22日 12時0分

まず、今回の参戦を最後にBRZからWRX S4にベース車を切り替える理由について聞くと「スバルのユーザーが次世代のスバルを想像しやすく、また期待する技術がターボでありAWD(4輪駆動)だから」という答えが返ってきた。

BRZはターボを装着しない自然吸気のエンジンであり、カーボンニュートラル燃料もある程度「手の内化(てのうちか)」することができた現時点で、「排ガスや燃費でより厳しい条件にあるターボエンジンに挑戦してみよう」という判断を藤貫氏と相談したうえで決めたという。

また、AWDの制御技術については、「今後のスバルが量産開発を進めるBEV(バッテリーEV)でのAWD化を考慮すると、(エンジン車である場合)鍛えるべき技術として出力が高い(大きな排気量の)ターボエンジンがのぞましい」という解釈もある。

では、これまでのスーパー耐久シリーズ参戦における成果をどう捉えているのか。

当初の計画通り、もっとも大きな成果は「人材育成」だという。参加してきたエンジニアからは「社内に絆ができた」という声があがっていて、世代を超えてさまざまな部門の人との交流が深まったというのだ。

今よりも規模が小さかった富士重工時代は、日々エンジニア同士の顔が見える環境が当たり前だった。それが、株式会社SUBARUとなり大企業化する中で、いわゆる“業務の縦割り”の意識から抜け出すことが難しいと感じるエンジニアも現れた。

そうした中、スーパー耐久参戦を通じて「クルマ1台(の開発)が見られるエンジニアを育てよう」という目標を立て、実際に自分の専門分野と他分野をバランスよく見られる人材が育ち始めていることを、スバルとして実感しているのだ。

また、別視点での果実として「BRZ(の特別仕様車など)で、ユーザーが直接購入できる成果が計画されており、現在最終調整中だ」というユーザーにとってうれしい話も聞こえてきた。

水平対向エンジン「継続」を明言した意味

これまで、中長期の事業戦略として自社で企画・製造するBEVの強化を明確にしてきたスバル。しかし、スバルの真骨頂である水平対向エンジンの将来について、正式な見解はこれまで示されてこなかった。

それが、2.4リッターターボを搭載するWRX S4のスーパー耐久参戦車両や、シリーズパラレルハイブリッド車の量産などにより、水平対向エンジンの未来に光明が見えた。既存のスバル車を環境対応車として作り続けるためにも、カーボンニュートラル燃料等の新技術を磨いていくのだ。

【写真】実機展示もあったワークショップの様子を見る

桃田 健史:ジャーナリスト

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