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ゼネコン「転職するだけで年収200万円増」の衝撃 「前向きな40代」と「悲痛な20代」の転職最前線

東洋経済オンライン / 2024年6月24日 8時0分

現場に限らず建設業界は人手不足。ゼネコンでは若者だけでなく中堅、ベテラン社員の転職ニーズも急増している(写真はイメージ、撮影:今井康一)

「最近は中堅や準大手ゼネコンからスーパーゼネコンに流入してくる人が多い。とくに現場監督が足りないので、一級建築士の資格を持っていたら歓迎される」。スーパーゼネコンのある中堅社員はこう語る。

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中堅・準大手からスーパーゼネコンに向かう流れだけではない。「中堅から準大手への移籍を願望するケースが増えている」(準大手ゼネコンの幹部)。

ゼネコン業界で人材の流動化が活発となっている。コロナ禍が落ち着きだした2023年ごろから、いっそう増えてきた。

転職サービス「doda」を運営するパーソルキャリアの有泉玲児氏(建設業界担当)は、「現場監督の経験者を中心に転職を考える人が多くなっている。実際に転職するかどうかは別にして、相談いただくケースが増えている」と話す。

「華麗なる転職」が増えている

建設業は人手不足が深刻だ。だが、仕事がきついというイメージが浸透しているためか、若者の流入が少ない。今年4月からは時間外労働規制の適用も始まった。作業員に過度な残業を要求して工期を守る「お家芸」も通用しなくなったことで、人材は引く手あまただ。

建設業界は4重、5重もの多重下請け構造を形成している。その頂点に君臨するスーパーゼネコンに、下層の準大手・中堅ゼネコンから転職することは、これまであまりなかった。それが「華麗なる転身」のような転職が増えているという。

スーパーゼネコンの中堅社員が背景を説明してくれた。「建設の現場監督ならば、仕事の内容はどこに行っても同じようなもの。働く量も変わらない。それならば『転職して待遇を改善しよう』という考えになる」。

では待遇の中でも金銭面はどの程度変わるのか。

準大手ゼネコンに勤めていた30代の男性は、「スーパーゼネコンだと30代前半で年収900万~1000万円に届く。準大手からスーパーゼネコンに転職するだけで、年収が200万円ぐらいアップするケースもある」と明かす。

下記の表を見てほしい。『会社四季報』のデータを基に主要大手の平均年収を並べたものだ。トップはスーパーゼネコンの鹿島で1177万円。準大手ゼネコンである安藤ハザマの963万円、中堅ゼネコンである大豊建設の807万円との差は歴然だ。

スーパーゼネコンではここ数年、人材の補充を狙って中堅・準大手ゼネコンよりもベースアップを積極化している会社もある。そういった賃上げ事情も転職ニーズ増加の背景にあるようだ。

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