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ニッチを攻める京セラ「法人向けスマホ」のすごみ 専用アプリで医療現場の"働き方改革"にも照準

東洋経済オンライン / 2024年6月25日 8時0分

もちろんスマホ本体も法人向けに特化した性能で訴求する。京セラの機種はカメラ画素数でコンシューマー向けの機種に劣るが、認識力はむしろ強化。バーコードリーダーなどの用途でもスムーズに使えるよう意識した。

京セラの事業は多岐にわたるが、主力はセラミックや電子系の部品だ。つまり、どちらかと言えば消費者よりも企業相手の商売を得意としている。「iPhoneなどの超高性能品と勝負しても仕方ない。われわれの強みを活かせる場所に商機を見出した」(原田氏)。

今回、打ち出したコンセプトは「脱専用デバイス」。読み取り機や決済端末、トランシーバーなどの機器をスマホで代替できるようにした。病院で例えると、ナースコールの対応や電子カルテの操作、患者や医薬品の認証などが1台で完結する。

DIGNO SX4には、端末に不調があるとき、内蔵している部品に異常がないかをその場で簡易的に調べられる自己診断機能も搭載した。故障によるダウンタイムを未然に防げる。7月から月額制の補償サービスも始める。法人向け端末が落下や水没などで故障した際には無償で交換機を届け、顧客の業務遂行を支える。

【2024年6月25日13時12分追記】上記のDIGNO SX4の端末の説明に誤りがあり修正しました。

法人向け割合80%へ

京セラはスマホ単体の業績や目標値を公表していない。ただ、通信機器事業を含む「コミュニケーション」セグメントの2023年度売上高は2244億円。これを2025年度には2700億円まで伸ばす方針だ。

一方で同セグメントの損益は、スマホの出荷台数減少や在庫評価減などが響き、2022年度に117億円の赤字に転落。2023年度は69億円へ黒字復帰したものの回復途上にある。

同社によると、個人向けスマホは一部機種を除いて2024年度中に終息する見込みだ。通信機器事業の売上高に占める法人向けの割合は、2025年度には約8割になるという。

DX化が遅れているとされる医療現場。そこに割って入り、新たな需要をつかめるのか。京セラスマホ復活の成否は、この新機軸に懸かっている。

石川 陽一:東洋経済 記者

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