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池袋という街だから見つかる「銘柄発掘のヒント」 コロナ禍でも「成長業種」の兆しをいち早く発見

東洋経済オンライン / 2024年6月26日 16時0分

同じようなことはサイバーエージェントでも起きた。メディア事業の「AbemaTV(現ABEMA)」は年200億円の赤字を出していたものの2年後には黒字化する勢いがあり、ネット広告事業の成長も期待できたため、ポートフォリオをサイバーエージェントに傾けていった。

モバイルゲーム『ウマ娘』の大ヒットもあり株価は上がってくれたのだが、その後は反落。欲張った結果、売りどきを逃したまま現在に至っている。

SBSホールディングスやサイバーエージェントなど「ポートフォリオは傾けてなんぼ」を実践しても、資金を集中的に投下した銘柄がうまくいかない状況が続いていた。街角ウォッチが実践できなくなり、ネットや四季報頼みになっていたことの影響がじわじわと私の資産を蝕んでいった。

新型コロナウイルスは日本屈指の繁華街を日々、侵食していった。

私は変わらず街角ウォッチを続けていたが1軒、また1軒と店がたたまれていく様子に胸が痛んだ。

普段ならば「空いた店舗を次に埋めるのはどんな業態か」は重大なヒントになる。コロナ禍ではテナントが埋まらず空いたままの店舗も多かったのだが、埋まった店舗には気になる変化があった。

「中間層向け」の店から、「利益率」の高い業態に

ひとつは業態ががらっと変わり、テイクアウトや立ち食いなど、安価な飲食店への交代だ。駅前のコンビニエンスストアは「おいしい! 早い! 新しい!」をうたう餃子の王将の新店舗となり、雑貨店だった場所には立ち飲みバーが入った。

それまで多かった中間層を狙ったようなお店が激減したのも印象的だった。とんかつの「松のや」は高級ジュエリー店へ、「吉野家」は漢方薬局へ、定食の「松屋」は高級ブランドの買い取りに特化したリサイクルショップの「ブランディア」へ、チョコクロがウリの「サンマルクカフェ」は1時間5500円の整骨院へ、格安焼き鳥屋は楽器店へと変わった。

後に入ったのは利益率の高そうなお店ばかりだ。調べてみると、7店舗のうち5店舗がより利益率の高い業態へと変わっていた。

「多くのお客さんに・薄い利幅で」の商売から、「少ないお客さんに・厚い利幅で」の商売への変化だ。

コロナ禍で街をそぞろ歩く人が減ったことで、「どうしてもそこへ行きたい」という人を相手にした業態でないと成り立たなくなったのだろう。そんな変化に気づいてはいたものの、投資のヒントになるかというと、まだ私にはピンときていなかった。

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