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「私は養子」TVの直撃取材で知った人の辛いその後 30代の子育て中に知った彼女の人生に起きたこと

東洋経済オンライン / 2024年6月26日 13時30分

誰が番組に依頼をしたのかは、いまもはっきりしません。「ほかに考えられないので、たぶん(血縁の)父だとは思う」ものの、後に実父本人から「違う」と言われたこともあり、ほかの誰かが依頼した可能性も捨てきれずにいます。

後にわかったのですが、近所の人たちは昔から弓子さんが養子であることを知っており、また地元で恋愛結婚した夫も、結婚したときから事実を知っていたようです。

知ったときは、どんな気持ちだったのか。こんな形で事実を知らされて、腹が立ったりはしなかったのでしょうか?

「うーん、考えたかな……。それまで知らずにずっと幸せに生きてきました。それが急に、テレビが来て、思いがけないことを聞かされて。『どうして』『どうしてこうなった』ということを考えていた。恨みっていうかな、そういうふうに考えていたように思います」

血縁の父親が年を取って自分に会いたくなり、そんな依頼をしたのだろうか? 育ててくれた両親には実子もいるので、子どもができなかったわけではない、なのになぜ自分を引き取ったのだろうか? そんな疑問が、次々と湧いてきたといいます。

弓子さんはまず、育ての母親に電話をしました。「『テレビが来てこう言われました』と言ったら、『そうなんです』みたいな感じ」だったそう。父親はだいぶ前に亡くなっていたため、話を聞くことはかないませんでした。

「育ててもらった両親はすごくいい、素敵な優しい人たちだったから、(私は)何も苦労していないし、怒られたこともない。だけど生まれたところの家はいろいろあったみたいなので、こちらで育てられてよかったなって今は思います。実は(育ての)父と母も両方養子として育っていて、いろいろ複雑なんです。だから、私の気持ちもわかってくれる人たちだったと思います。

性格は(血縁の)親に似ているのかもしれない。おっちょこちょいでよく動くのは、私の性格。実の子で生まれた妹は、おとなしめなんですよね。全然違うんです。(血縁の親からも育ての親からも)いいところを全部もらったと思っていいのかなって(笑)」

事実を知って20年抱えた「私は必要ない」という思い

こんなふうに今は自身の出自を前向きに捉えている弓子さんですが、最初からこうだったわけではないようです。弓子さんは事実を知った後、長い間「自分は要らなかったのに」という思いを拭えなかったといいます。

「テレビの訪問で事実を知ってから、『私は(実の親には)必要なかったの』『なんで』と思ってましたね。マイナス思考で、暗い感じだったと思います。だけど(自分の)子どもが3人いて育てなきゃいけないから、そんな感情はあまり出さず、ただ日々行動していましたね」

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