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渡部建「地上波生出演」に嫌悪を感じる人がいる訳 「明らかな緊張」の裏にある渡部氏の心情とは?

東洋経済オンライン / 2024年6月26日 12時30分

謝罪会見時(2020年)の渡部建氏(写真:REX/アフロ)

お笑いコンビ、アンジャッシュの渡部建氏が6月21日、ゲストコメンテーターとしてTOKYO MX『5時に夢中!』に出演しました。2020年に複数の女性と多目的トイレで不倫していたことが報じられ、活動自粛。この度、4年ぶりに地上波で活動再開後初の生番組出演となりました。

【写真を見る】『5時に夢中!』の公式サイトに掲載されている渡部建氏の表情。一見笑顔に見えるものの、緊張感が出ている

YAHOO!JAPANリアルタイム検索でここ1週間(6月24日付)の「5時に夢中 渡部」のポスト数グラフを見ると、53%のポジティブ、47%のネガティブ反応があることがわかりました。わずかにポジティブ反応が上回っていますが、4年経ても払拭されない多くのネガティブ反応があることに問題の深さを感じます。なぜここまで根深いネガティブ反応が続くのでしょうか。

根深く嫌悪が残る理由

ネットの投稿を見ると、怒りというよりも、軽蔑や嫌悪反応が目立ちます。嫌悪に焦点を当てることで、根深さの謎が垣間見られます。嫌悪は「不快なモノ」を原因に生じ、「不快なモノ」を排除しようとするための感情です。具体的に見ると5段階のレベルがあります(Rozinら, 2008)。

最も根源的な嫌悪は、毒物や腐敗物に対して生じます。次の2番目の嫌悪は、病気やウイルス感染の恐れがある身体接触や分泌物、食物摂取に対して生じます。

3番目の嫌悪は、獣性に関わる嫌悪。セックスや死、身体表面の異常に対して生じます。身体と魂を守り、死を否定したいために生じ、動物と人間の境となる嫌悪です。

4番目は対人嫌悪です。よそ者や望ましくない者に対して生じます。そして最後の5番目が、道徳違反に対して生じる嫌悪です。最後の2つは社会的秩序を守るためにあり、集団を形成する動物にも見られますが、その複雑な形は人間特有のものとなります。最初の嫌悪ほど受け入れることが難しくなります。

渡部氏の不倫が「よくあるもの」ならば、私たちが抱く嫌悪感は道徳違反に対する程度となり、ここまで続くものではなかったでしょう。

しかし、「多目的トイレ」かつ「金銭の授受あり」という特異性が、「身体と魂を守る」嫌悪の機能を不全にさせたと感じるのではないでしょうか。5段階中3段階目の嫌悪ですので根深く、「地上波ではなく、ネット配信で(渡部氏を)見たい人だけが見ればよいじゃないか」という意見にも頷けます。

とはいえ、渡部氏は社会から完全抹殺されるほどの罪を犯したわけではないでしょう。芸能人が不道徳な行為をすることは社会に与える影響が大きく、一定の非難が向けられることは仕方のないことでしょう。しかし、最終的には関係者間の問題といえます。

渡部氏の緊張を読み解く

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