若々しい人・老け込む人「休日の過ごし方」の違い 不安定な社会、「休養」が注目される納得理由
東洋経済オンライン / 2024年6月30日 9時0分
しかし、自己憐憫に浸っていても、あまりいい人生にならないと僕は思います。強者になれとは言いませんが、せめて健全であってほしいですね。休養をとって体を健康に保つ、生活をきちっとする、仕事をしっかり作るというような、足元をしっかり築くことのほうが大切なのではないでしょうか。
休養のとり方が差を生む時代
60代になった今、若々しさの個人差がすごく激しくなっていくのを目の当たりにしています。
最近、「平均寿命」ではなく、「死亡年齢最頻値」という言葉が盛んに使われるようになりました。「平均寿命」は、今年0歳の子供が何歳まで生きるかという数値ですが、「死亡年齢最頻値」は、今年いちばんたくさん亡くなった人は何歳かという数値です。日本人は、男性88歳、女性93歳。
今年5月には、政府の経済財政諮問会議において、民間議員から「高齢者の定義を65歳から70歳へと5歳延ばすべきだ」という指摘もなされました。
これらの現象から、ものすごく長く働く時代がやってくるのだとわかります。自分が長く働きたいと思うかどうかではなく、社会として、否応なしに「働いてください」というふうになっていくわけです。
そうなると、いかに健康を維持するかが重要なテーマになるでしょう。だからこそ、うまく休養を取り、活力を取り戻しましょうということになる。
疲れてダラダラ寝ていると、それ以上は疲れないので、すごく低いレベルでの体力の維持はできます。でも、それ以上には上がっていかない。「病気じゃないからとりあえずいいか」という感覚で低空飛行していても、楽しくないんじゃないかと思いました。
そこで、バッと起き上がって活動できるという力は、年齢に関係なく必要になりますし、それができる人と、できない人とでは、生き方が変わってくるでしょう。
物理的な年齢よりも、日々いかにきちんと休養をとって、活力を作っているかどうかが物を言う。そこで個人差が広がっていく時代なのだと思います。
ジャーナリストは不健康な無頼派だった
「休養」が注目されているのは、この15年ほどで健康に対する意識が非常に高まってきたことと関連するのではないかと思います。
15年ほど前、日々の生活を聞かれて、朝6時半に起きてジムに行っていると答えたら、「えっ、ジャーナリストなのにジムに行くんですか?」と笑われたことがありました。
その頃は、ジャーナリストと言えば、遅くまで飲み屋で酔っ払って殴り合いしているというような無頼派のイメージがあったのでしょう。それが、「それじゃ体を壊すだけで、何もいいことはないよね」と変わってきた。これには、終身雇用による安定性がなくなってきた影響が大きいのではないかと考えています。
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