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「心の病かも」精神科を受診するべき5つの兆候 家族は「患者からのシグナル」を見逃さないで

東洋経済オンライン / 2024年7月1日 17時0分

・頭ごなしに、心の病の患者さんの言動を否定しない、見下さないでください。

・放っておかないことが大切です。いつの間にか5年、10年経ってから相談される家族が多いのです。できるだけ受診が早いほど、悪化を防ぎ、回復も早いのです。

・家族は、患者さんが精神科を受診できるように、くり返し説得し続けてください。

病院での受診を拒まれたら、家族だけで抱え込まない

ただし、症状が重いと、患者さん自身に「自分が病気である」ことの認識が乏しいために、家族からいきなり精神科への受診を勧めても受診を拒むケースがあります。

このような場合、家族は頭ごなしに患者さんの言動を否定せず、何を恐れているのかを丁寧に聞いてあげてください。家族は患者さんの苦しみを受けとめてあげるのです。平常心を持った家族が、平常心の弱り切った患者さんと交流を持つことが大切です。ポジティブな心と触れ合うことで患者さんの意識も変化します。

家族のポジティブな思いが強ければ、患者さんの心の中に残っているポジティブな部分と共鳴して、患者さんも病院を受診してみようと思えるようになります。心の病状を客観視できるようになるのです。自身の苦悩を精神科医によって取り除いてもらいたいと思うようになります。

ただし、家族間の信頼関係が弱っていると、受診につながらない場合も多いです。

受診を嫌がっている場合には、地元の保健所や精神保健福祉センターに相談するとよいです。きっと、ケースワーカーや保健師や嘱託医が良い助言をしてくれるでしょう。

私は、受診を拒んでいる患者さんの住所が近隣である場合には往診することがあります。平常心を持ったドクターが、平常心の弱った患者さんと交流すれば、患者さんにも前向きな気持ちが芽生えて、その翌日精神科を受診することも可能になります。

万が一、自殺の懸念がある場合や他人に著しい攻撃的な言動がある場合には、在宅生活の継続と在宅治療の導入は難しいので、必要に応じて一時的に入院治療を勧めます。家族と主治医は、できるだけ、患者さんに入院治療が必要であることを理解してもらえるように働きかけます。

緊急性がある場合には、都道府県の精神科救急医療システムを利用します。そして、精神科救急情報センターや警察の協力を得て強制入院になります。この場合でも、できる限り、患者さんに入院の必要性を理解してもらえるほうが、入院のトラウマが小さくなり、病状の回復が良くなります。

精神科への相談を考える「5つの兆候」

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